国家公務員に完全週休2日制が実施されたのは、1992年5月1日から。これに歩みを合わせて土日を休みにした会社も少なくない。わずか20年前のことだ。

80年代までは、土曜日の午前中も業務を行う会社も多く、俗に「半ドン」と呼ばれていた。当時現役でサラリーマンをしていた60代男性に聞くと、土曜の午後は職場の同僚たちと野球やテニスなど社内クラブに興じ、夜は居酒屋での飲み会が恒例だったという。

仕事できなくてもスポーツで存在感発揮

職場ではあまり冴えないが、運動神経が抜群で、土曜の午後になると大活躍する人もいたらしい。

練習会場を押さえたり試合相手を探したり、懇親会をセッティングしたりするのが得意な人も。仕事以外で「存在意義」を認められていたというわけだが、ある意味ではいい時代だったといえるだろう。

gooランキングは「部活で男子がかっこよく見える決定的瞬間ランキング」を発表している。1位は「サッカー部でシュートを決める瞬間」だった。20年前には比較的マイナーだったサッカーだが、いまや人気ナンバーワンだ。

2位以下には「バスケ部でダンクシュートを決める瞬間」「バスケ部でドリブルで敵を抜く瞬間」「野球部で投球する瞬間」「テニス部でスマッシュを決める瞬間」が続いている。

もし「半ドン」があのまま続いていたら、いまは目立たない存在の人もスポーツで存在感を発揮して、社内の人気ものになっていたかもしれない。いまでも社内クラブでスポーツを楽しむ人もいるが、ごく少数。わざわざ休みの日に同僚と会うこともない。

野球のボールを投げるだけで「男子がかっこよく見える」のなら、ぜひ披露したいものだが、そんな機会もなくなってしまった。密かに寂しがっているベテランのサラリーマンもいるのではないか。