電子書籍関連会社のブックリスタは今年6月、オフィスの壁一面に「人と本との出逢い」をテーマにした本棚を設置しました。作家や出版社関係者が多く出入りする同社。メディアプロデューサーの野村秀樹さんは、「デジタル化は本を扱う手段のひとつにすぎず、本を本当に大切にしたいという気持ちを表現するために本棚を作った」といいます。

 最初に本棚を作ってから半年経った今回、「本当の読書好きに喜んでもらえるよう、ブックリスタと同様、進化を続けていきたい」という思いから、本棚のコーディネートを担当した、ブックディレクターの幅允孝さん(BACH)と、ブックコーディネーターの内沼晋太郎さん(numabooks)の二人に、新たな本の補充を依頼しました。

 依頼を受けて東京・神保町にやってきた二人が向かったのは「雑誌」を多く取り扱う古書店。BGMにパンクロックが流れ、音楽雑誌を中心にアニメ、ファッションなどのサブカルチャー雑誌を多く揃える「ブンケン・ロック・サイド」や、カテゴリーの中からキーワードや年代別に探すことができるように細かく分類されている「ヴィンテージ」、1939年に創業し、作家・三島由紀夫関係の本などの品揃えは神保町随一と評判の「小宮山書店」、ファッション誌を中心とした品揃えで2009年にオープンした「magnif(マグニフ)」などを訪れ、創刊号や記念号、その時代を象徴する表紙の雑誌を、ファッション、プロレス、建築など幅広くセレクトしました。

 例えば、黒柳徹子が表紙のグラフ誌『アサヒグラフ』には"独特のおしゃべりが司会者としていま大受けの黒柳徹子"とのキャプションが。トーク番組「徹子の部屋」がスタートした頃という時代背景が読み取れます。

 ほかにも、インタビューを中心とした月刊カルチャー誌『スタジオボイス』や、マガジンハウスの旧社名「平凡出版」から発刊されていた総合ライフスタイル誌『平凡パンチ』、読者からの投稿を中心に数々のコーナーが作られ、大槻ケンヂ、清水ミチコ、佐野史郎などが常連投稿者だったサブカルチャー誌『ビックリハウス』など。

 真剣な眼差しで本を選ぶ二人ですが、時に子どものように瞳をキラキラさせたり、本の話題で笑い合ったり。本のプロであり本のファンでもあることが見てとれます。「ブックリスタのオフィスには幅広い年齢層の方がいらっしゃるということで、青春時代に読んでいた雑誌などを見て『この雑誌を今、電子書籍化したら面白いんじゃないか』などのアイデアが出る場所になれば嬉しいですね」と内沼さん。「昔の雑誌の表紙は文字が少なくデザインもかっこいい。10年間表紙のデザインが変わらない雑誌なんて、今はなかなか無いじゃないですか。編集者も今みたいにコロコロ変わらないという時代背景を感じとれますね」と幅さん。


 今回選んだ雑誌は12月8日にブックリスタの本棚に並びます。果たしてどんな本棚に進化をとげるのか楽しみです。








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