国内では英雄? 世界の「独裁者」、その実態

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 「独裁者」――この言葉を聞き、誰を連想するだろう?
 世界中の長い歴史の中には数々の「独裁者」がいた。そして、日本にいるとなかなかピンとこないかもしれないが、現代でも独裁者と呼ばれる人間はいる。そんな世界中に存在する独裁者を知ることができるが、『世界の独裁者』(六辻彰二/著、幻冬舎/刊)だ。

 本書で挙げられた独裁者には3つの条件がある。

■行政、司法、立法の三権にまたがる権力を、制度的、非制度的に関わらず、保持していること。
■法律の規定や民主的な手段によって(任期がある場合は任期中に)そのポストから交代させることが、制度上、もしくは、事実上できないこと。
■野党、マスメディア、市民団体など、自らに敵対的な勢力の活動を、手段を問わず制約していること。

 つまり、政治の実権を掌握し、国のトップに居座り続け、その座を脅かす者は容赦なく弾圧をする人物であるということだ。
 これらの条件をくぐり抜けた選りすぐりの独裁者の顔ぶれはそうそうたるものだ『世界の独裁者』には20人の独裁者の名が連なる。本書の中で“最悪の大統領”と評されているジンバブエのムガベ大統領、10月に死亡が報道されたリビアのカダフィ大佐、北朝鮮の金正日総書記など、国際ニュースを見ていたら見覚えのある名前ばかりだ。
 また、耳慣れないかもしれないが、赤道ギニアのンゲマ大統領は、その独裁ぶりに加えて人肉を食べているなどの噂すらある猛者。武力統制、情報規制、選挙介入、国庫専横……。まさにやりたい放題の20人である。

 だが、本書は単に独裁者の姿をあげつらうだけのゴシップに留まってはいない。
 意外かもしれないが、独裁者と呼ばれる前、彼らは自国のために立ち上がった英雄であり、政権奪取直後の国内外の評価や期待は良好なことが多い。
 では何故、独裁者と呼ばれる立場になってしまったか? 何故、横暴とも言える独裁体制は維持することができるのか? その経緯と背景は、実に興味深い。
 独裁者を知ることは、世界の微妙な均衡や事情を知ることに通じるのかもしれない。
(ライター/石橋遊)



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