「セバスチャン、ギアボックスにトラブルが出ている。マシンをいたわってくれ」

 ブラジルGP予選で今季15回目のポールポジションを獲得し、1992年にナイジェル・マンセルが樹立した最多記録を打ち破ったセバスチャン・ベッテル(レッドブル)に、無線で指示が飛んだ。レース開始から10周を過ぎた頃のことだ。

 ベッテルはペースを落とし、2位を走っていたチームメイトのマーク・ウェバーにトップのポジションを譲り、結果的に勝利も譲った。

「いいスタートが切れたのに、トラブルがあると聞いて残念だったよ。かなりシリアスで強い言い方だった。そこからはショートシフト(エンジン回転を上げずにギアチェンジ)をしてエンジン回転を落としてギアボックスをいたわらなければならなかった。なんとか直らないかとプッシュし続けたけど、無理だった。だから完走することが目標になったんだ」

 今季11勝を挙げたベッテルに対し、18戦を終えてまだ勝ち星がないウェバーだけに、チームが「ベッテルへの”ブラフ”でトップを譲らせたのではないか」との声さえ上がったほどだった。

 しかし状況は本当に深刻だった。

 ベッテルのギアボックスからは徐々にオイルが漏れ出し、潤滑が悪くなると同時に摩擦による過熱が進んでいたのだ。

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