イギリスサッカー界を悲劇的な衝撃が襲った。2010年12月からウェールズ代表を率いていたギャリー・スピード監督が亡くなったのだ。ウェールズサッカー協会が27日朝に発表している。スピード監督は42歳だった。

スピード氏は20年間のキャリアの中で、プレミアリーグ誕生の前年である1992年にはリーズでタイトルを獲得している。ニューカッスル、エヴァートン、ボルトン、シェフィールド・ユナイテッドに在籍し、700試合以上に出場して、エヴァートンではキャプテンを務めた。シェフィールドで監督としてのキャリアをスタートさせると、約1年前にウェールズの代表監督に就任。英国勲章も受けている。

スピード氏の遺体は現地時間午前7時過ぎ、首をつった状態で発見されたとのこと。警察が捜査しているが、殺人などの可能性はないと見られている。近所に住むマンチェスター・ユナイテッドFWマイケル・オーウェンは『ツイッター』で、「信じられない。2日前、子供を学校へ連れて行ったときに会ったんだ。打ちひしがれている」とつぶやいた。

ウェールズはスピード監督の下でプライドを取り戻し始めていたところだった。2週間前のノルウェー戦も4−1で制し、10試合で5勝を挙げていた。イングランド代表との試合でもファビオ・カペッロ監督を苦しめている。

ノルウェー戦で勝利を収めた後、スピード氏は「我々には多くのタレントがおり、この立場にある私は幸運だ。我々は未来をつくっているところだよ。やるべきことはまだたくさんあるが、我々は正しい道にいる」と話していた。

スピード氏は代表85キャップで、これはGKネヴィル・サウスオールに続く記録。代表でのチームメートだったロビー・サヴェージ氏は、「世界は偉大な男を失った。打ちひしがれている。昨日の朝、彼と話したんだ。なぜだ? サッカーや音楽について話しながら、一緒に笑ったじゃないか。分からないよ」と話している。