今年も大盛況に終わったご当地グルメの祭典、B-1グランプリ。6回目となった兵庫県姫路市での大会(11月12、13日)に押しかけた来場者数は、なんと51万5000人!

 当然、会場は長蛇の列。1時間、2時間待ちは当たり前。過去にゴールドグランプリに輝き、殿堂入りしている「厚木シロコロ・ホルモン探検隊」のブースにいたっては4時間待ちの表示が出たほどだ。

 さぞかし主催者はグフフとほくそ笑んでいるかと思いきや、これがなんとも物憂(ものう)げな様子。いったい、なぜ?

「来年の福岡・北九州大会の開催はすでに決まっているんですけど、再来年の2013年大会からはどうなるかわかりません。ひょっとすると、今のB-1グランプリのような形の大会はなくなるかもしれません」(B-1グランプリを主催する「愛Bリーグ」の俵慎一専務理事)

 エッ、B-1グランプリがなくなってしまうってこと? 俵専務理事がうなずく。

「はい、ここまで大きなイベントになってしまうと、もう私たちの手に負えません。こんなにたくさん集客して、どうするんだというのが正直なところです」

 どうやら、B-1グランプリがあまりに巨大化しすぎ、主催者側がイベントをコントロールできなくなっているらしい。

 確かに、大会運営については多くの不満が聞こえていた。何しろ、最寄り駅のJR姫路駅構内からして初詣の神社並みの大混雑。そこから会場へと続く大手前通りも鈴なりの人、人、人。その上、出展団体が63にも膨れ上がったため会場も広大。端から端まで歩くと30分以上もかかる。そうしてやっとお目当てのブースを探し当てても、今度は数時間もの行列苦が待っているのだ。

「2時間待ちの案内板を見て、心が折れた」(20代・女子大生)
「ブースだけやない。トイレも大行列。男子便所ですら、おしっこするのに10分以上も行列せなあかんかった」(30代・男性会社員)

 今大会、最長の行列ができた厚木シロコロ・ホルモン探検隊のブース前では、やけくそ気味の声も。

「テレビで話題やから一度食べてみたいと思ってたんやけど、たかがホルモン食うのに4時間待ちはないわ。それやったら、このまま近くの焼き肉店に行ってホルモン食べたほうがマシや!」

 さらにはグランプリを決める投票方法にもこんな疑問の声が。

「会場が広すぎてブースを回りきれない。全部の味がわからんまま、投票してグランプリを決めてもええんかいな」(40代・男性)

 この疑問は出展団体側からも。某ブースの関係者が首をひねる。

「63のブースのうち、焼きそばが11もあるのは一気に大量に作れるためでしょう。実際に試食した来場者が箸を投じ、その重さで優勝を決める今のルールでは、大量に作ってスピーディにさばける焼きそばが断然有利ですよね」

 こうした不満はもちろん主催者もよくわかっている。前出の俵専務理事が言う。

「だからこそ、内部で大会の発展的解消が議論されているんです。もともとB-1グランプリは町おこしを仕掛けてもPRできないという悩みを持つ団体が、共同のPRの場にしようとスタートさせたイベント。利益を追求せず、広告代理店も入れずに手作りでやってきたのはそのためです。ところが規模が大きくなるにつれて、本来はおまけのはずだった順位発表だけが注目を浴びるようになってしまって。大会自体が本来の趣旨からどんどん遠ざかっているというのが私たちの認識です」

 それじゃ、再来年からのB-1グランプリはどんな姿になる?

「大会の規模を大きくしないためには出展数を減らすのがいいのですが、それは町おこしをしようとしている団体を断ることになり、B-1グランプリの原点に反します。だから、今浮上しているのはB-1グランプリを発展的に解消し、B-1支部大会を各地で開こうというアイデア。これなら出展数は10から20くらいに抑えられ、来場者にもすべてのメニューを味見してもらえる。全国大会は4年に1回やれば十分という意見も出ています」(俵専務理事)

 今や経済効果はウン百億円ともいわれるB-1グランプリ。それを利権ビジネスにしない主催者の覚悟はあっぱれだ。支部大会の開催は全国にB-1グランプリが拡散するってこと。地方を元気にしようとする大会の理念にかなっている。開催されるならば、週プレはB-1支部大会を応援するぞ。

(取材/ボールルーム)

【関連記事】
男1000人×女1000人の「メガ合コン」は町おこしの救世主
マニアなら一度は食べ歩きたい京都府向日市「京都激辛商店街」
大手ファミレスも牙城を崩せない、絶対に出店したくない都市とは?
「洋風」に「ラーメン」。コンビニおでん最前線、食べておきたい新作
ツイッターで暴言のまんべくん、“中の人”は「なんでもないことです」