プロテニスプレーヤー・錦織圭。今月5日、スイス室内では、世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を大逆転の末に破り、日本に歓喜をもたらした。

そんな日本テニス界のエースに、テレビ朝日「報道ステーション」(23日放送)では、大先輩にあたる松岡修造氏がインタビューを行った様子を放送した。

ジョコビッチ戦では、「勝てて嬉しかった」と話す錦織だが、その試合後は、控え目なガッツポーズを見せるに留めていた。

「僕もエドバーグっていう世界2位の選手に勝った時なんか、倒れこんで、これ人生で最大のっていう、全然そういうのない。あれはどうして?」と、松岡氏に訊かれた錦織は、「自分の中で決めていた。本心は喜んでるんですけど、そこまで喜んで表現してしまうと、すごい余韻が残ってしまって、次の試合に浮いた感じになるというか、まだ大会終わってないし、優勝したら、そこで喜ぼうと思って」と語る。

去年はケガの影響もあって、898位までランキングを下げたこともあったが、今年に入ってから見せる目覚しい活躍について、「戦い方を変えたっていうのが一番あって。今までの自分は攻めて攻めていくスタイルだったので。今は守りが一番最初にある」と明かし、強引なショットで攻める半面、自滅していたこれまでのプレースタイルから脱却したことをアピールした。

また、前述したジョコビッチ戦では、敗戦が決定的になったといっていい劣勢から、奇跡のばん回を起こした錦織。「まだ、もちろん勝つ望みは残ってましたし、相手がどんな相手であれ、ここを凌げばチャンスはあると思っていた」と振り返ると、松岡氏は「凄い捉え方だね。完全に展開は負けな訳よ。0-30になった時に『圭、よく頑張った』ってメール書いたもん。負けたことですぐに送ろうって。ごめんね」と詫びた。

さらに、この試合以上に「デビスカップのワールドグループ出場っていうのは、とても大きかった」という錦織は、この国別団体戦で、1986年以来となる世界上位16位入りを果たす。「自分がどうなっても絶対に勝とうと思って。今年は特に震災も3月にあって、自分の中でも、もどかしさというか、テニスに対する思いも新たに強くなった」と語るや、これを聞いた松岡は「圭、ありがとね。俺、全然ワールドグループ入りできなくてさ。本当に嬉しかったよ。すごいね。やっぱり。圭凄いね。ごめんね、小さい頃、偉そうにしちゃってたから」と再び謝るのだった。