2008年をピークに、日本は人口減少社会に突入した。リクルートのワークス研究所が発表した、2020年の労働市場予測『成熟期のパラダイムシフト』によると、2010年から2020年の間に“労働力人口”は275万人減少、さらに労働力人口のうち実際に働いている人にあたる“就業者”は、357万人も減少すると報告されている。

 当然、2020年頃の失業率は大幅に悪化。完全失業率は現在の4.1%を大きく超え、6.6%と予測される。しかも、グローバル化が進み日本で働く外国人が増えると、日本人に限っての失業率はさらに高くなってもおかしくないだろう。

 この失業率の予測値を見ると、若い世代は今以上の就職難を想像してしまいがちだが、実はそうではないようだ。『成熟期のパラダイムシフト』で報告されている「10歳ごとの年齢で区分した完全失業率」の推移を見ると、例えば「25〜34歳」では2010年の完全失業率が6.1%、そして2020年になっても6.1%と変わらない。さらに「15〜24歳」では、同9.4%から同7.4%と大幅に低下している。つまり、これからは若い労働力ほど企業に求められるということだ。

 一方で、「45〜54歳」の完全失業率は、2010年の4.0%から2020年には8.6%へと急激に上昇すると予測されている。これはどういうことなのか。ワークス研究所研究員の戸田淳仁氏が語る。

「10年後に45〜54歳になる、いまの30代後半から40代前半は団塊ジュニア層。そもそも人口が多いことがネックになっています。企業の中でもそこだけボリュームが大きく、その45〜54歳の全員を部長などの管理職にできるのかという問題があります。実はいまでも“部下なし管理職”という形で役職を与え、働く意欲を上げようとしている会社があります。この状況がもっと進み10年後には社員のほとんどが部長、などという会社が生まれるかもしれません」

 仕事は減りつつも役職だけが上がっていく“部下なし管理職”。余裕の無い企業ならば、真っ先にリストラの対象になるだろう。現在、若者たちの失業率ばかりがクローズアップされるが、実は本当に将来が危ないのは、内定バブル期に入社した“団塊ジュニア”たちのようだ。

(取材/梶野佐智子)

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