日本人女子大生Aさん(21)が9月下旬、ソウルの繁華街にあるホテルから失踪したとされる事件について、ソウル南大門(ナムデムン)警察署は21日、「Aさんが拉致などの犯罪に巻き込まれているものではないと判断した。意思決定能力を持つ成人の家出事件に対して警察が介入する名分がない」と明らかにし、捜索を終了したことを発表した。複数の韓国メディアが報じた。

 韓国メディアは、警察はソウル市内の明洞(ミョンドン)で失踪したとされる日本人女子大生の事件について、拉致である可能性が低く、家出であるという結論を下し、事実上捜索が終了したと伝えた。

 警察は、10月14日からАさんが映っていた約20件のホテル防犯カメラのデータを確保して分析した。その結果、画面に映ったAさんのほとんどの姿は、恋人と思われる男性と一緒にいる姿だったという。

 警察は、映像の中のAさんは同行している男性と手を握るなどしており、無理に連れ出されている状況に見えないことを根拠に、強制的な拉致ではないと判断。ほかに、Aさんの携帯電話とクレジットカードの使用明細やホテルの従業員らの陳述など、総合して分析した結果、このような結論を下したという。

 また、捜査終結に決定的な影響を及ぼしたのは、Aさんが今月中旬に、両親に送った動画メッセージだった。警察によると、Aさんは今月中旬に、同行の男性と一緒に撮った動画メッセージを日本にいる両親に送ったと明らかにしている。この映像ではAさんが同行している男性と一緒に登場、安否を伝えたという。

 警察は、「Aさんの親と日本領事館側も、Aさんは拉致されていないと認識しているようだ」と説明。「Aさんの身辺に関連して、今回の判断を覆すほどの決定的な状況が出てこない以上、捜査活動を再開しない」としている。(編集担当:李信恵・山口幸治)