19日に予定されていたブンデスリーガ第13節のケルン対マインツ戦が、キックオフの40分前に、悲劇により延期されることとなった。主審を務めるはずだったババク・ラファティ氏が、試合の前に自殺を図ったからだ。同氏は手首を切った状態で、深刻な状態でホテルの部屋で発見され、病院へと運ばれている。

当初、ケルンのスタジアムにいたサポーターたちには、主審がおらず、短時間で代役を見つけるのは不可能ということだけが知らされていた。背景を知らない観客たちは、ブーイングで怒りを表している。ラファティ氏のことは、ドイツ『スカイ』の放送が始まってから明らかになった。

41歳のラファティ氏は、イランにルーツを持つドイツ人で、ハノーファーの銀行役員。ブンデスリーガで最も称賛される審判の一人で、2005年から84試合を担当し、国際試合でも2試合で主審を務めている。偶然なのか、同氏がブンデスリーガでデビューしたのは、05年8月6日のケルン対マインツ戦だった。

自殺を図った理由については明らかになっていない。ドイツではプロも含め、すべての審判がアマチュアサッカークラブに登録しているが、ラファティ氏が登録しているクラブの会長は、「うつ病などを患っていたかどうかは知らない」と話している。ドイツサッカー連盟のテオ・ツヴァンツィガー会長は、女子サッカーの試合観戦を断念し、すぐにケルンの病院を訪れた。

現地時間18時ごろ、ケルン警察のスポークスマンは、ラファティ氏の容体が「危険から抜け出た」と発表している。