三浦浩児脚本、山口陽史作画により『月刊少年チャンピオン』で連載中の漫画『エグザムライ戦国』第7巻が、11月8日に発売された。『エグザムライ戦国』はダンス&ボーカルユニットのEXILEのHIROがプロデュースし、日本の戦国時代に類似する架空の世界を舞台にEXILEのメンバーを模した侍や忍者達が活躍する作品である。キャラクター原案は高橋ヒロシが担当した。
 この巻では正体不明の怪人カグラとの戦いに決着がつけられる。ストーリー自体は「俺たちの闘いは、これからだ」的な終わり方で、新章突入のための強引さがある。主要キャラはHIRO、ATSUSHI、MAKIDAI、TAKAHIRO、MATSU、USA、AKIRAの7名で、その後のEXILEのメンバー増員は反映されていない。これに対して、新章では現在のEXILEの構成と同じ14人の侍達の活躍が予告されており、新章突入には大人の事情も見受けられる。
 一方で『エグザムライ戦国』にはEXILEのプロモーション漫画やEXILE人気への便乗漫画と割り切れない面がある。それは作品全体を貫くヤンキーテイストである。もともとキャラクター原案の高橋ヒロシは『クローズ』などのヤンキー漫画を得意とする。掲載誌の『月刊少年チャンピオン』もヤンキー漫画が中心である。
 これらにふさわしく、『エグザムライ戦国』で描かれるEXILEのメンバー達は実物以上にワイルドな風貌で、性格もヤンキー的なノリである。現実社会ではヤンキー文化は時代遅れのダサいものとなっているが、過去を舞台に描けばヤンキー的なキャラクターも時代遅れにならない。
 『カメレオン』でヤンキーの成り上がりを描いた加瀬あつしも『週刊少年マガジン』で連載中の新作『ばくだん!幕末男子』では幕末を舞台に新撰組をヤンキー集団的なノリで描く。国際的にも注目される武士や侍の精神性を社会のはみ出し者であるヤンキーにたとえる『エグザムライ戦国』も『ばくだん』も歴史ファンにとっては噴飯物であるが、フィクションとしてはユニークな視点を提供する。
 その反面、ヤンキーテイストで描くことがEXILEにとってメリットがあるかは別問題である。EXILEのファンの大半は女性であるが、『エグザムライ戦国』はファンの感覚とはマッチしていない。果たしてEXILEのイメージアップになるかは疑問である。
 それが逆に良くも悪くも『エグザムライ戦国』を独立して評価できる作品にしている。特に、この巻では主人公的存在のHIROが単純にプロモーションになるようなカッコいい存在で終わっていない。物語の世界観を重視した展開になった。

 同日には同じく『月刊少年チャンピオン』で連載中の本田真吾『ハカイジュウ』が第5巻を発売した。一つの章を完結させた『エグザムライ戦国』第7巻に対し、こちらは新章に突入する。『ハカイジュウ』は未知の生物が現代の立川市を襲うモンスターパニック漫画である。
 第4巻までは立川市で起きた惨事から逃げる人々を描いたが、この巻では立川市の外側にいたキャラクターが主人公となる。怪物による恐怖だけでなく、真相を隠蔽しようとする政府の不気味さがクローズアップされる。自衛隊が立川市一帯を壁で覆い、立ち入り禁止区域としていた。壁の内側では自衛隊員による常軌を逸した横暴が展開されていた。
 これまでも『ハカイジュウ』では体育教師と名乗る武重のような異常な人間の恐怖を描いてきた。この巻では権力を背景とした人間の不気味さが描かれる。そして、その種の大人達を普通の少年である絢士(けんじ)が全く信用していないことが小気味よい。普通ならば大人の甘言に乗せられて全てを奪われてしまいがちである。確かな批判精神を持つ絢士の行動力に注目である。

(林田力)

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