相次ぐ自転車事故に対し、警察が本腰を上げた。だが、車道を走るというルールを守るための環境は、まだまだ整っていない

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 10月25日、警察庁が自転車交通の新たな指針を打ち出した。「良好な自転車交通秩序実現のための総合対策の推進について」という指針の中身は、自転車をあらためて「車両」として定義し、自転車が通行できる歩道は原則として幅3メートル以上(以前は2メートル以上)とすることなどが盛り込まれている。

 要するに、「自転車は車道を走ること」を求めたこの指針。この時期になって急浮上してきたのは、ひとえに自転車事故、とりわけ自転車と歩行者との事故が激増していることにある。自転車の走行範囲をキチンと既定することで、こうした事故をなくしていこうとしているのだ。

 だが、自転車が走行するその「車道」自体、自転車が走りやすいとは言い難い。特に狭い道路が多い都市部では、車道を走ることで新たな事故が増える可能性すらある。この点は警察も認識しており。前述の指針のなかで「自転車の通行環境の整備も十分とはいえない状況にある」と明記している。

 環境整備が不十分なまま指針を発表した理由について、警察庁の交通企画課はこう説明する。

「自転車の通行環境の確立、自転車利用者に対するルールの周知と安全教育の推進、自転車利用者の交通違反に対する取り締まりの強化といった取り組みを総合的に推進することとしています。これらの対策により、車道を通行する自転車の安全と歩道を通行する歩行者の安全の双方を確保したいと考えています」

 つまり、新たなルールの周知と「並行して」環境を整備していくということ。指針では「クルマ用の車線を減らして自転車通行帯を整備すること」「利用率が低いパーキングメーターを撤去すること」などが盛り込まれており、自転車の安全のためにはクルマに不便をかけることもいとわない姿勢を見せている。

 しかし、こうした自転車ユーザーの安全を確保する道路環境の整備はまだまだ「これから」の話だ。指針がすでに発表されている現在、自転車のみならず、事故を起こす可能性があるドライバーたちの意識改革がどれだけ進むのか。そのフォローは十分なのか。議論すべき点は山積みだ。

(写真/村上庄吾)

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