欧州の経済危機が深刻化している。10月19日にギリシャ・アテネで行なわれた大規模なゼネストでは、約50万人がデモに参加。一部の過激派が機動隊と衝突し、暴動にまで発展した。さらに、そんなギリシャを失業率では上回るスペインでも、学校や空港、鉄道がストライキで閉鎖される事態が起きている。

 こうした状況を、各国の未来を支える20〜30代はどう見ているのだろうか。話を聞いた。

「大学の同期の仲間8人のなかで、職が見つかったのはたった2人。仕方なくカフェやバーでパートタイムの仕事をしている。僕は両親が経済的に安定しているのが不幸中の幸いだけど、将来を考えると暗くなるよ」(アントニス・無職・27歳・ギリシャ)

「みんな収入は1000ユーロ程度だからひとり暮らしなんて絶対ムリ。生活するには家族の援助が必要だし、親にお金がなかったら祖父や親戚に頼るしかない。誰も以前のように生活を楽しんでいないわ」(ラウラ・政党勤務・28歳・スペイン)

「小遣い稼ぎみたいなことをやってしのいでいる。仕事はあっても低賃金のものばかり。それに資格を求められるんだ。ただ街でアンケートをとるだけなのに大卒じゃないとダメ、とかね」(マルク・宿泊業・30歳・スペイン)

 失業率と物価上昇率(インフレ率)を足した“悲惨指数”では、数字が高いほど生活苦を感じるようになり、10を超えると社会が不安定化する。よく日本の若者は「不幸」だと言われるが、日本の悲惨指数は3.7だ。これに対しアメリカは10.7、ギリシャは22.7、スペインは25.5とはるかに高い数値になっている。確かに日本も15歳〜24歳の失業率は高いが、若年層が苦しい生活を強いられているのはどこも同じ、むしろ日本は恵まれているともいえるのだ。

「この年齢層は初めて働く人が多いから、基本的に手に職があるわけではありません。雇用する側としては雇いにくいんです。しかも日本と違って欧米では、何かができる人を雇って戦力にするという発想です。日本のように新卒を毎年一定程度は採用するということもない。単純に景気がよければ採用するが、悪ければ採用しません」(信州大学の真壁昭夫教授)

 日本型システムには問題も多いが、アメリカ型やヨーロッパ型にすれば解決するということでもなさそうだ。前出のマルクは、日本の失業率が4.1%(9月)だと聞くと、「失業率が5%以下? もう日本に行くしかないね」と答えた。ちなみに、同時期におけるスペインの失業率は22.6%(15〜24歳は48.0%)だった。

(取材/中川 圭、山本孔一)

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