東日本大震災から8カ月。震災後に選ばれた米・タイム誌恒例の「世界で最も影響力のある100人」に、福島県南相馬市の桜井勝延市長の名があったことを記憶している人もいるでしょう。本人も「どうして私が」と驚いていたそうですが、原発事故後YouTubeを使い、支援物資が市内に入ってこないことを訴えたから。世界中の人々がこの動画によって、フクシマの窮状を知ることになったのです。

 『東北は負けない』の著者・星亮一氏は「冷静に物事を分析する桜井市長のキャラクターが世界から評価された」と本書に記しています。元地元紙記者で、現在は会津史研究家の星氏は、さらに「従来のように国に陳情し、予算をつけてもらうスタイルからの脱却」をはからなければ、「東北の復興はありえない」と主張。桜井市長のような人がいる反面、「壁が厚い」と嘆く行政に携わる人が多いことも明らかにしています。

 被災地の窮状を知ったとき、人々は自分でできることは何かを考えました。さまざまな人がさまざまなやり方で支援を行う。未曾有の被害だったからこそ、その方法は多岐にわたったといえるでしょう。

 「進研ゼミ」でおなじみの出版社、ベネッセでは、幼児向け通信教育本『こどもちゃれんじ』を作る社員が、震災直後「こういうときだからこそ、『こどもちゃれんじ』として、災害の地域の親子にできることをやっていきたいと思う」とメールで社員にアイデアを募集したそうです。

 そして、同教材のキャラクターで、子どもたちに絶大な人気を誇る「しまじろう」を被災地に派遣。「しまじろうの慰問・応援イベント」を17市町村、47カ所で開催し、子どもたちの心のケアを目的とした「手遊び」「体遊び」「歌ダンス」などを被災者親子と一緒に行いました。訪問先で子どもたちの笑顔に出会い、「逆に心が洗われた」というスタッフ。しまじろうのために用意してくれていたプレゼントにも心を打たれたそうです。

 その他、非常時の子育て情報をツイッター、携帯サイト、WEBサイトで提供。くわえて、カゴメと共同開発した新商品の野菜ジュースを、発売前に被災地に届けるなどの活動を行ってきました。今後クリスマスには、再度しまじろうが被災地を訪問する予定。12月22日は岩手県山田町、12月23日は宮城県石巻市、12月24日は福島県いわき市、12月25日は宮城県仙台市を訪れ、不安を抱える子どもたちを勇気づけます。

 いまなお、不自由な暮らしを続ける人に何ができるのか。支援の輪について、もう一度考えてみる時期にきているのかもしれません。


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こどもちゃれんじ 被災地のおやこへ 全国のおやことともに




『南相馬市長にみる"負けない東北"のためのヒントとは?』
 著者:
 出版社:講談社
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