私たちの生活に浸透したともいえる「ソーシャルネットワーク」。Facebookやmixi、Twitterなど、いずれかのサイトに登録している人が多いかと思います。そんなソーシャルネットワークには、友人との繋がりが広く深くなるといったメリットの反面、デメリットもみられます。

 これらのサービスを利用する時には、必ずといっていいほどプロフィールを作成する必要があり、所属するコミュニティーが異なれば、サービスごとにプロフィール内容を変えることになります。よって、サービスを使えば使うほど、プロフィールを作ることになり、作りすぎた人格に対応できずに、ソーシャルネットワークから距離を置く人も少なくはありません。

 多重人格とまではいきませんが、異なる人格を持つことは、周囲に与える影響以上に自分への負担が大きいものです。大ベストセラー『永遠の0』の著者・百田尚樹氏の新作『プリズム』は、理性的な家庭教師の主婦と、時に荒々しく、時に陽気、また紳士的な一面ものぞかせる青年による、哀しくミステリアスな恋愛小説。青年は、自らを「多重人格者」といいます。


 ──専業主婦を続けていた聡子は、世田谷に古い洋館を構える資産家の岩本家に、家庭教師として足を踏み入れた。美しい夫人から依頼されたのは、小学校4年生になる息子・修一の家庭教師。修一 と打ち解け順調に仕事を続けていた聡子だが、ある日、屋敷の庭を散策中に、離れに住んでいるという謎の青年と遭遇する。攻撃的な青年は、荒々しい言葉を聡子に浴びせ、唾を吐きかけた。しかし、数日後に再会した時には、陽気で人当たりが良く聡子を口説いてからかったりもした。それだけでなく、知的で紳士然とした穏やかな態度で、聡子との会話を楽しんだりする一面ものぞかせた。会うたびに変化する青年の態度に困惑するが、聡子はいつしか彼に惹かれていく。


 青年に隠された哀しい秘密を知った聡子は結ばれざる運命に翻弄されていきます。ラストに「別れ」を描く小説は数多く存在しますが、同作品の「別れ」は、失恋でも、破局でも、死別でもない、永遠の「別れ」。せつなく、狂おしい結末は必見です。



『あの世でも会うことができない永遠の別れとは〜『プリズム』』
 著者:
 出版社:幻冬舎
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