巨人愛のクーデター「清武の乱」は失敗か
日本のマスコミ界のドンであり、同時にプロ野球界のドンでもある読売新聞グループ、読売巨人軍で、クーデターが発生した。清武英利球団代表が、グループ本社会長の渡辺恒雄氏に弓を引いたのだ。大いに世間の関心を集めたことは確かだが、しかし、このクーデターは分が悪く失敗に終わりそうだ。
■身内「そんなことか」
「コンプライアンス上の重大な件」
何やらよほど重大な発表なのだろう。11月11日午前、誰もがそう思ったことだろう。大王製紙、オリンパスがこの問題に直面している真っただ中であり、ついに巨人にも飛び火か、と思われた。しかも「プロ野球界のルールにかかわること」とし、文部科学省を会見場所に指定するなど、ただ事ではないと感じさせるには十分だった。
しかし、フタを開けてみれば、巨人の1軍ヘッドコーチ人事を巡って、岡崎郁氏と渡辺恒雄氏に報告した後に、江川卓氏に変更したという趣旨のものだった。
会見を見た読売新聞社員は「そんなことか、と思いましたよ。コンプライアンスや、プロ野球界のルールというから、少し驚いていたんですけど」と正直な感想を漏らした。ただし、マスコミ界、プロ野球界を牛耳る読売新聞グループ内での一種のクーデターということもあり、翌朝の各新聞には大きく報道された。
現オーナー桃井恒和氏はすぐさま反論し、一夜明けて、名指しで批判された渡辺恒雄氏も反論した。戦線は拡大しているが「これは清武さんの負け」(スポーツ紙デスク)と見られ、すでに勝負は決した感もある。
清武の乱はどう決着するのか。
■大の巨人ファン
まずは「清武の乱」を起こした、清武英利氏という人物を見ておかなくてはならないだろう。巨人のキャンプ地としても有名な宮崎県生まれで、立命館大学を卒業後に読売新聞社に入社した。
社会部畑を歩み、山一証券の経営破綻をスクープするなど大きな実績を残す有能な記者であった。社内では必ずしも出世コースとは言えない運動部の部長に就任。「巨人ファンということもあったので、まんざらではなかったのでは」(読売関係者)と言われる。そして、2004年から巨人球団代表に就任。本人にとっては願ったりかなったりではないだろうか。
故・木村拓也コーチは同じ高校の後輩にあたり、亡くなった際には人目もはばからずに涙を流していたことは知られている。また、一方で巨人担当記者に対しては、気に入らない記事が載ったり、嫌な質問を受けると記者に恫喝したり、マスコミには常に目を光らせていたという。
ただ、05、06年こそBクラスに低迷したが、07〜09年までリーグ制覇。09年には日本一に輝くなど功績を残した。だが、10、11年と補強に失敗しV逸。追いつめられた立場にあったであろうことは想像できる。
「オーナーでもないナベツネこと、渡辺恒雄氏が人事に口出しをするということで、反ナベツネのようなファンの世論を喚起できると考えていたのではないでしょうか。ただ、厳しいと言わざるを得ないでしょう」(スポーツ紙デスク)
すぐに桃井オーナーも反論し、完全にハシゴを外されてしまった。
■出向役員の悲哀も重大な掟破り
「とんでもない話。かばうことできない」(桃井オーナー)とするなど、清武氏は孤立してしまった形だ。
また、文部科学省での会見についても、特に文科省に何かを報告をしたわけでもなかった。それは「球団事務所で会見の許可が出なかっただけでは…」との見方もある。つまり、討ち死にを覚悟の上で戦うことを決めていたのか?
そして一夜明けた13日に、渡辺氏も声明を発表。「悪質なデマゴーグ」とまで言われてしまった。
「親会社から球団に出向した幹部は、自分でどんどん何かをやりたがるタイプか、親会社の顔色を見るタイプに分かれます。清武さんは前者でしょうね。ただ、それも渡辺さんの後ろ盾があったから色々な政策を打つことができたのも事実です。謀反を起こしたとなると、今後は厳しいでしょう」(元プロ野球担当記者)
どんなに大声で「ジャイアンツ愛」を叫んでみても、一サラリーマンにプロ野球の運営は正直難しい。いわゆる関連会社出向だが、清武氏もその犠牲になったという同情もできなくはない。
しかし、巨人は一つだけ大きな間違いを犯したことは事実。それは、プロ野球マスコミの鉄の掟として、日本シリーズ中はどんな大きなニュースも控えるというものだ(突発事項以外)。それを自作自演で日本シリーズよりも大きなニュースを提供してしまった。結局、巨人は、現場やファンを軽視したという汚点だけを残したのが、今回の騒動だ。
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しかし、フタを開けてみれば、巨人の1軍ヘッドコーチ人事を巡って、岡崎郁氏と渡辺恒雄氏に報告した後に、江川卓氏に変更したという趣旨のものだった。
会見を見た読売新聞社員は「そんなことか、と思いましたよ。コンプライアンスや、プロ野球界のルールというから、少し驚いていたんですけど」と正直な感想を漏らした。ただし、マスコミ界、プロ野球界を牛耳る読売新聞グループ内での一種のクーデターということもあり、翌朝の各新聞には大きく報道された。
現オーナー桃井恒和氏はすぐさま反論し、一夜明けて、名指しで批判された渡辺恒雄氏も反論した。戦線は拡大しているが「これは清武さんの負け」(スポーツ紙デスク)と見られ、すでに勝負は決した感もある。
清武の乱はどう決着するのか。
■大の巨人ファン
まずは「清武の乱」を起こした、清武英利氏という人物を見ておかなくてはならないだろう。巨人のキャンプ地としても有名な宮崎県生まれで、立命館大学を卒業後に読売新聞社に入社した。
社会部畑を歩み、山一証券の経営破綻をスクープするなど大きな実績を残す有能な記者であった。社内では必ずしも出世コースとは言えない運動部の部長に就任。「巨人ファンということもあったので、まんざらではなかったのでは」(読売関係者)と言われる。そして、2004年から巨人球団代表に就任。本人にとっては願ったりかなったりではないだろうか。
故・木村拓也コーチは同じ高校の後輩にあたり、亡くなった際には人目もはばからずに涙を流していたことは知られている。また、一方で巨人担当記者に対しては、気に入らない記事が載ったり、嫌な質問を受けると記者に恫喝したり、マスコミには常に目を光らせていたという。
ただ、05、06年こそBクラスに低迷したが、07〜09年までリーグ制覇。09年には日本一に輝くなど功績を残した。だが、10、11年と補強に失敗しV逸。追いつめられた立場にあったであろうことは想像できる。
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すぐに桃井オーナーも反論し、完全にハシゴを外されてしまった。
■出向役員の悲哀も重大な掟破り
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また、文部科学省での会見についても、特に文科省に何かを報告をしたわけでもなかった。それは「球団事務所で会見の許可が出なかっただけでは…」との見方もある。つまり、討ち死にを覚悟の上で戦うことを決めていたのか?
そして一夜明けた13日に、渡辺氏も声明を発表。「悪質なデマゴーグ」とまで言われてしまった。
「親会社から球団に出向した幹部は、自分でどんどん何かをやりたがるタイプか、親会社の顔色を見るタイプに分かれます。清武さんは前者でしょうね。ただ、それも渡辺さんの後ろ盾があったから色々な政策を打つことができたのも事実です。謀反を起こしたとなると、今後は厳しいでしょう」(元プロ野球担当記者)
どんなに大声で「ジャイアンツ愛」を叫んでみても、一サラリーマンにプロ野球の運営は正直難しい。いわゆる関連会社出向だが、清武氏もその犠牲になったという同情もできなくはない。
しかし、巨人は一つだけ大きな間違いを犯したことは事実。それは、プロ野球マスコミの鉄の掟として、日本シリーズ中はどんな大きなニュースも控えるというものだ(突発事項以外)。それを自作自演で日本シリーズよりも大きなニュースを提供してしまった。結局、巨人は、現場やファンを軽視したという汚点だけを残したのが、今回の騒動だ。
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