日本人として北朝鮮に乗り込む李忠成 (C) Tsutomu KISHIMOTO

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11日のタジキスタン戦で日本が勝利を収め、北朝鮮がウズベキスタンに負けたため、日本の最終予選進出と北朝鮮の予選敗退が決定した。

そのため、15日の北朝鮮対日本は勝敗の影響がない消化試合である。だが、その試合になみなみならない思いを持っている人物がいる。

北朝鮮、韓国、日本から、日本を自分の国として選んだ男、李忠成だ。小学校は民族学校に通い、U-19韓国代表候補に選ばれながら、日本国籍を取得した。

その李が、決して訪れることがないだろうと思っていた国に、日本のパスポートを所持して乗り込む。相手には、同じ在日ながら、朝鮮を愛して止まない鄭大世がいる。しかも2人ともストライカーだ。この試合で2人のライバル心に火が燃えさかる。

文=森雅史

李忠成のコメント
「日本代表で北朝鮮に乗り込むことになりますけれど、小学校までは朝鮮籍でしたし、まさか自分が北朝鮮の地を踏めるとは思っていなかったので、本当にとても光栄なことだと思います。

とてもいろんな思いであの地をふめるのではないかと思います。相手は敗退が決まってしまったのですが、やはり日本に対しての思いとか、日韓戦以上に、北朝鮮は自分の地で負けられないという気持ちがあるのを自分は知っているので、すごく強い気持ちで臨んでくるのはわかっています。その気持ちや技術で負けないようにして、しっかり勝点3を取って日本に帰りたいと思います。

大世さんもすごく燃えていると思います。自分の国で親や親戚も見に来るでしょうから、燃えているでしょう。自分は、やはり試合に出てゴールを取りたいです」

■森雅史、現地レポート
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