従来のやり方ではうまくいかなくなっている、就職活動。最適なマッチングを目指し、さまざまな情報や手段が提供されている。

 就職情報会社ディスコの調査によると、2012年3月の大学卒業予定者が「就活」に費やした金額は全国平均で16万3229円。地域別では、最高は中国・四国の21万4426円、最低でも関東の13万6936円となる。ただしこれは、あくまでも平均額のため、志望する企業や業種によっては、もっと多くの費用が生じる場合もあるとみられる。

 希望の企業に就職できればまだいいが、企業の採用人数も減少しており、大卒内定率の数字は芳しくない。こうした状況を受けて、就職活動指南本やウェブサイトの内容も様変わりしているようだ。

 たとえば、書籍『広告のやり方で就活をやってみた。』(宣伝会議)。その名のとおり、広告コミュニケーションの手法をを就職活動に応用、実践しようというもの。「志望企業」をターゲット、「学歴」はスペック、「自己分析」はマーケティングととらえ、エントリーシートや面接に活かしていく手法を、大手広告会社に勤務する2人の著者が示唆する。

 一流企業でも淘汰される時代、企業選びの参考になりそうなのはウェブサイト「東京仕事百貨」だ。同サイトは、各企業を入念な取材のもと、仕事の厳しさも包み隠さず紹介。求職者の間では、本当にやりたい仕事が見つかると評判となっている。サイト名は「東京」だが、全国各地、海外からの求人もある。カテゴリーもユニークで、アナザーワールド、クリエイティビティなどのワードが並ぶ。また、仕事を紹介する文章も面白く、エッセー感覚で読むことができる。

 一方、いち早く新しい採用方法を打ち出した企業もある。世界で10兆円の売上げを誇る総合食品飲料企業であるネスレ(スイス)の日本法人ネスレ日本(神戸)では、選考を2段階とし、1段階目は大学1年時から受験可能とした。この方式は、就職活動期間に幅を待たせることを目的として、2013年4月入社から導入される。一部では就職活動の前倒しではと懸念される声もあるが、その動向に注目が集まっている。第1段階を突破した者対象の2段階目の選考は、大学3年時以降となる模様だ。

 学生にとっても、企業にとっても、最適なマッチングがなされることが望ましい。その実現に役立つ、さまざまな情報・手段が、今後も提供されるよう期待したい。

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加藤 秀行、 阪神 裕平[著]

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