「特撮映像館」、今回は夢野久作の代表作を映像化した『ドグラ・マグラ』です。映画化不可能とまで言われていた小説を見事に映画化した松本俊夫監督。独特の雰囲気を醸しだすセットと特撮映像は本作の中では欠かせない要素といえるでしょう。
原作は夢野久作の同名小説。探偵小説の三大奇書のひとつとも言われており、一度読んだだけではなかなか理解できない内容でもある。ちなみに角川文庫版上下巻を初めに入手し読み始めたが、途中で挫折。3度ほど読みかけたまま積んでおいたものを改めて読み返したあと、講談社文庫版全3巻、ちくま文庫版全1巻と3度読んだ(講談社文庫版には数ヶ所初版で誤植がある)。

さて映画版であるが、当初映像化は不可能とまで言われていたものだが、本作は見事に原作の映像化に成功したと言っていいだろう。なかでも枝雀の怪演は本作の見どころといえる。物語のベースとなる中国清時代のエピソードを人形で映像化しているところもわかりやすくてよかった。

特撮に関しては、研究室の中に強風が吹き荒れたり、胎児の模型などが登場する程度のものだが、これがまたじつに作品世界にマッチしたものになっている。

映画版は原作ほど理解の難しいものにはなっていないが、それでも繰り返し鑑賞することでより理解が深まるといえるだろう。映画を観てから原作を読んでみるのもいい。

DVDに収録された監督のインタビューでは、本作の映画化を久作の版権所有者(ご子息)に話したところ、それ以前に何作か映画化されたが満足いく作品がない、むしろ原作を誤解されるようなものだったと言われたという。本作以前に映画化されたものといえば、『少女地獄』『瓶詰めの地獄』といずれも日活ロマンポルノ作品。原作のエロティックな部分を誇張されてしまったのはいたしかたないだろう。

監督/松本俊夫
キャスト/松田洋治、桂枝雀、室田日出男、三沢恵理、江波杏子、小林かおり、森本レオ、ほか。
1988年/109分/日本

(文:猫目ユウ)

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