今月初めに発表された、東日本大震災による死者は1万5892人。行方不明者は3686人で、合わせると、計1万9515人にも上ります。3月11日のあの日から8カ月。被災地のがれきが撤去されるのに合わせるかのように、メディアの震災報道は減り、人々の関心が薄れていることは、残念ながら事実といわざるをえません。

 「2011年9月の福島に、こんな6日間があった。」というコピーとともに、サンボマスター、怒髪天、高橋優、福山雅治、長澤まさみ、西田敏行らの名が連なる帯がつく本。それが、『LIVE福島 風とロックSUPER野馬追 僕らは君たちの恋人になりに来た』です。

 「LIVE福島」はクリエイティブディレクター・箭内道彦が中心となり、9月14日から6日間、福島を横断する形で行われた野外ロックフェス。じつは、一昨年から福島県郡山市出身の箭内氏が主催者として取り仕切っていたイベントで、今回は震災、原発事故の影響で拡大版が開かれました。箭内氏は、同じ福島県会津若松市出身の山口隆(サンボマスター)などと結成した「猪苗代湖ズ」として舞台にも登場。故郷への思いの丈を音楽とともに届けたのです。

 一時、PVがニュース番組などでも流れていた『I love you & I need you ふくしま』は彼らの歌。ライブ会場が一体となって、この歌をアーティストと観客が熱唱した様子も公式本には収録されています。読んでみると、活字からほとばしる熱気のようなものを感じる人も多いのではないでしょうか。どういう思いで出演者は舞台に立っていたのか。帯にあるアーティストらがロングインタビューにこたえ、心情を明かしています。

 タイトルの「〜恋人になりに来た」は、サンボマスター山口が観客に語りかけたせりふ。「俺らな、ロックンロールなんかやりに来てねーぞ、君らひとりひとりと恋人になりに来たんだよ」。彼が振り絞るように言った言葉に、大きな拍手と歓声で応えた観客。これが「LIVE福島」を象徴する出来事だったと本書では述べられています。

 "ライブの記録"を超えた、出演者と観客の物語。本書の印税はすべて義援金として寄付されるそうです。



『サンボマスター山口の"叫び"がタイトルに―「LIVE福島」公式本発売』
 著者:
 出版社:講談社
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