「亡くなる2日前には、取材に来ていたテレビ局のスタッフに“稽古場にはいるなといってるだろう!”と物凄い剣幕で怒鳴り始めたりと、暴行報道以来、ピリピリしていましたね」

 11月7日、急性呼吸不全のため死去した大相撲・鳴戸親方(元横綱・隆の里、享年59)の亡くなる直前の様子をこう語るのはある相撲関係者。“暴行報道”とは、『週刊新潮』が2週にわたって報じたもの。同誌によれば、鳴戸親方は“精神注入棒”と書かれた角材で弟子の頭を殴打したり、痩せていた弟子の体重を増やす目的でインスリンを注射していたという。さらに鳴戸部屋では、大関候補の稀勢の里らによる“かわいがり”や、若手力士へのセクハラまであったという。

 相撲協会では、報道を受けて、鳴戸親方から聴き取り調査を実施し、8日には臨時の理事会を開き、処分などを検討していた矢先の急逝だった。

 数々の苦難を乗り越え、30才という高齢で横綱まで上り詰め、“おしん横綱”と呼ばれて人気を集めた元横綱・隆の里。親方になってからの姿について、別の相撲関係者はこう話す。

「“土俵の鬼”と呼ばれた二子山親方に育てられたせいか、親方になってからは、厳格で鉄拳制裁も辞さない指導方針でした。それだけに今回の協会からの事情聴取にも“やっていない”の一点張りで、親しい関係者には、“暴力じゃなくて指導だ。オレは悪くない”なんて話していたみたいです」

 しかし、11月13日から始まる九州場所では、弟子の稀勢の里の大関獲りが懸かっており、大事な場所を目前に控えての報道だっただけに、ショックも大きかったようだ。

「親しい親方には、塞ぎ込んで、“稀勢の里には申し訳ない”とか“オレが泥をかぶればいいのか”なんて漏らしていて、精神的に不安定だったようです…」(相撲担当記者)

 鳴戸親方の死によって、相撲協会は今回の暴行事件についての調査の打ち切りを発表した。結局、真相は闇に葬られたわけだが、相撲協会内部からはこんな声も上がっているという。

「協会としては、イメージ回復の大事な時期だっただけに、鳴戸親方の死で、事件に蓋がされたことを歓迎する幹部もいるそうです。これで稀勢の里が大関に昇進すれば、“親方に捧げた”とか“涙の昇進”といった美談にほとんどのニュースは差し替わるわけですから」(前出・相撲関係者)

※女性セブン2011年11月24日号