藤島環、もう少しで19歳。彼女は生後まもなくハンプティ・ダンプティ・シンドローム(HDS)という難病に罹った。これは体の表面がカルシウム化して石のようになってしまう病気で清拭ケアが欠かせない。岩手県沿岸部にある介護施設「しおかぜ荘」にほぼ寝たきりの状態で暮らしている。そんな彼女がある日雀の雛を拾う。おいおい、大丈夫なのか?

『愛とカルシウム』は難病の少女がけなげに生きていく...という小説なのだが、これが一筋縄ではいかないガンコ者。施設で暮らすほかの患者や看護師、介護師と丁々発止の鍔迫り合いを繰り広げる。だた、ひとつだけ彼女には大きな目標があった。

大野更紗『困ってるひと』(ポプラ社)がベストセラーを驀進中だが、本書は小説とはいえ難病の状態がとてもリアルだ。今回文庫化されると聞き、解説を書かせて欲しいとお願いしたほど面白い。震災後、環はしおかぜ荘はどうなっただろう?と思っていたら続編も準備中とか。多くの人に読んでほしいと思う。

(東えりか)







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