『ヴァレリオ・オルジャティ』展
 
次の世代を代表するスイスの建築家『ヴァレリオ・オルジャティ』展開催

ヴァレリオ・オルジャティ作品を発表するたびに話題を集める建築家、それがスイス生まれの、スイスに拠点を置く建築家ヴァレリオ・オルジャティです。彼が今事務所を構えているのは、グラウビュンデン地方の山里であるフリムス。このことからもわかるように、オルジャティは、時流にとらわれることなく、建築の本質と向き合い続けてきました。
その建物の特徴は、「概念性」と「職人性」と「芸術性」とが高いレベルで融合しているところにあります。篠原一男(1925-2006)や安藤忠雄(1941- )などの影響もうかがえる幾何学的なプラン(平面図)に、時には土着的と思える形や模様を与えていくオルジャティの建築は、過激さと懐かしさとおかしみを同時に備えることに成功しています。そこで求められているのは、新しい建築などではなくて本当の建築である、そう言い換えることもできるでしょう。
本展に展示されるのは、模型と図版です。と書くと、普通の建築展のように聞こえますが、これはヴァレリオ・オルジャティの、美術館で開催される展覧会。もちろん違います。模型は、小さな住宅も、大きな美術館も、すべて同じ1:33 の縮尺でつくられていて、細かい部分は省略され、まるで彫刻のように見えます。白くて美しい模型9 点を前にすると、建築の強度とはいったいなんによるのかと、考えさせられることでしょう。
そして図版。これは、オルジャティが自らに影響を与えたものとして集めた、建物や庭園や空間や絵画などのイメージによって構成されています(それを彼は「図像学的自伝」と呼んでいます)。古今東西のさまざまなイメージが水平にひろがる中に、模型が、あるいは「建築」が、垂直に立っている。この対照性が本展の特徴です。(写真:オルジャティ氏 近影 © Alberto Venzago : カウマ湖のプロジェクト フリムス/ スイス 1997)

 
建築界で今、最も注目されている建築家のひとりオルジャティ。
時流にとらわれずに山里で「建築」に向き合い続け、「私は建築のために生きている。そして文字通り、建築のために死ぬだろう」とすら語るオルジャティの幾何学的で抽象的な形、そしてなぜかユーモラスで、時には民族的に見える彼の作品。
そんなちょっと不思議でとても魅力的な世界を是非、東京国立近代美術館で体感しよう。
 
「ヴァレリオ・オルジャティ」展スイス連邦工科大学(チューリヒ)での展示風景、2008 年 / リナルド・バルディルのアトリエ シャランス/ スイス 2002-07
 
 
概要
「ヴァレリオ・オルジャティ」展
期間  11月1日(火)〜 2012年1月15日(日)
時間  10:00〜17:00
休館日 月曜日、年末年始、1月10日(火)
場所  東京国立近代美術館 ギャラリー4
観覧料 一般:420円(210円) 大学生:130円(70円)
    *( )内は20 名以上の団体料金。いずれも消費税込。
    *高校生以下および18 歳未満、65 歳以上、キャンパスメンバーズ、MOMAT パスポートをお持ちの方、障害者手帳等をご提示の方とその付添者(1 名)は無料。
    *上記料金で入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「近代日本の美術」もご覧いただけます。
無料観覧日 11 月3 日(木・祝)、11 月6 日(日)、12 月4 日(日)