若い女性の味が、それほどまでに忘れられなかったのか。元愛人宅に侵入し、居合わせた男性(28)を殴って怪我を負わせたとして、警視庁四谷署は10月20日、傷害と住居侵入の疑いで東京消防庁新宿消防署署長、増子信仁容疑者(56)を逮捕した。

 18日午後6時過ぎ、新宿区新宿5丁目のマンションに、合鍵でエントランスのオートロックを解除した上で部屋に入ろうとして、出てきた男性と鉢合わせした増子容疑者。
 「そこで2人は口論となり、増子がいきなり男性の顔面を2〜3回拳で殴打し男性は上唇の内側を切ったそうです。その後、増子はすぐに部屋を立ち去りましたが、男性はそれを追いかけマンションの非常階段付近で揉み合いになった。増子はそれを振り切ってさらに逃走したのですが、その際に落とした携帯電話から、増子であることが特定されたのです」(社会部記者)

 関係者の話によれば、妻と子供2人を持つ増子容疑者は、マンションに住む飲食店店員の女性と3年ほど前から愛人関係にあったという。ところが今年3月、女性が別れを切り出し、未練タラタラの増子容疑者が関係を続けたいと言い寄っていたという。
 「電話やメールでしつこく迫り、マンションに押しかけて留守の間に部屋に無断で入るなど、困り果てた女性が警察に相談していたんです。とりあえず部屋の鍵を替えることにして、7万円をかけて通常ではコピーが不可能なものにしていた。それもあって、なぜ増子が合鍵を持っていたのかが不審視されています。立場を利用し管理会社などに用意させていたとすれば悪質極まりなく、警察では調べを進めています」(同)

 増子容疑者は大学卒業後、'79年に東京消防庁に入庁した準キャリアで、日野消防署長、消防庁予防課参事などを経て、今年4月から新宿消防署長の職にあった。
 「入庁以来穏やかな人柄とおとなしい言動で、信頼を得ていたタイプ。そういえば、4〜5年前の日野消防署長の時あたりから夜遊びに繰り出すことが多くなったと聞いてはいました。なにしろ署長ともなれば権限が大きく、防災面が重視される夜の街では絶大な権力がある。水商売の人は署長と聞くや大袈裟なぐらいもてなしますからね。彼もその誘惑に負けたのかもしれません」(容疑者の知人)

 東京消防庁によれば、現職の署長が逮捕されたのは初。それだけに「早急に署長職を外し、懲戒処分にする」(東京消防庁・佐藤直記総務部長)としている。
 火遊びがとんだ大火事になった!?