ゲーミフィケーション・フレームワーク

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 第2回ではゲーミフィケーションが注目される背景や、ネット業界、ゲーム業界、マーケティング業界、心理学など様々なジャンルを切り口として、その本質的な魅力について説明しました。一方で、様々な要素が入り混じると、どうしても複雑になってしまい、消化しづらくなるという面があることも確かです。そこで第3回では、このような複合的な概念を説明するための枠組みとして「ゲーミフィケーション・フレームワーク」を解説します。

■ゲーミフィケーション・フレームワークとは?

 ゲームメカニクスやソーシャル性を活用するといっても、具体的に何から考え始めればいいのでしょうか? これは私自身、ゲーミフィケーションのコンセプトを実際に適用することを考える上で悩んだ点でした。ゲーミフィケーションを構成する要素が様々にあることや、それらをどのように組み合わせることで効果的なゲーミフィケーションとなるのかが分かりづらく、しばらく試行錯誤が続きました。

 ゲームデザインが参考になるのかと考え、その方面も色々と調べてみたのですが、デザイン手法が枠組化されている文献は残念ながら見当たりませんでした。仕方がないので様々なソーシャルゲームを分析し、共通して持つ要素を取りだしました。これをゲーム以外の領域にも適用できるように抽象化した上で、再構成してできあがったのが「ゲーミフィケーション・フレームワーク」です。

 フレームワーク化する上では、様々なゲームの上級プレイヤーの方々へのインタビューや、実際にソーシャルゲームを開発された方々へのインタビューが大変に参考になりました。彼・彼女らの助力なくしては、完成しなかったと思います。この場を借りて改めてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 このフレームワークは、以下の図で表されます。

ゲーミフィケーション・フレームワーク


 このフレームワークは、主に6つの要素で構成されています。実際にゲーミフィケーションをWebサービスなどに適用することを考える上では、この6つの要素を概ね番号順に考えていくことになります。「概ね」としているのは、実際には相互の関連性が強いため検討中に行ったり戻ったりすることが頻繁に発生するためです。

 それぞれの要素を簡単に説明していきましょう。

■(1)目的と利用者

 あるサービスのゲーミフィケーションを考える際には、まず、利用者がそのサービスをどのような目的で利用しているのかを明らかにします。ここで気をつけなければいけないのは、サービス提供者の目的と、利用者の目的は同じではないことが多いという点です。例えばECサイトであれば、ECサイト運営者の目的は売上をあげることにありますが、利用者の目的はそうではありません。

 目的を明らかにするためには、利用者を理解する必要があります。利用者の立場に立って「なぜ、このサービスを訪れたのか?」を考えます。判断の目安として、利用者の順位が表示されるような「ランキング機能」を例に当てはめてみましょう。目的に沿ったランキングを用意したと想定して、「利用者がそのランキングの上位に上がりたいと思うかどうか?」といったことを考えてみてください。ECサイトで累計購入金額のランキングがあっても、明らかに利用者は上位にランクインしたいとは思いません。では、何であればいいでしょうか?

 このように、利用者の目的と提供するサービスに祖語がないかを明確にすることが、まずは重要になります。

サービス提供者と利用者の目的は異なる。サービス利用目的を洗い出すことが第1歩となる


 また、利用者を理解するためには「バートルのプレイヤータイプ分類」や、プレイヤーをサービス利用の熟達度別に初級、中級、上級に分類することなども有用です。特にバートルのプレイヤータイプ分類は使いやすい概念ですので、ゲーミフィケーションを考える上では欠かせません。



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