【BL】【コミック】「誇り高き戦場」を読む。

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少年同士の恋愛を「耽美」と呼ぶのか?

(画像:amazon.co.jpより)
©坂田靖子/講談社


「誇り高き戦場」はアラン・シリトー氏の同名小説をモチーフにした坂田靖子先生の漫画作品です。

第2次大戦末期のポーランドに慰問旅行中の演奏グループであるワシントン・フィル一団は、ドイツ軍の部隊に捕虜として捕らえられます。冷淡で高圧的なシュライヤー大佐は、オーケストラを率いる若手指揮者レナード・クーリッジに、演奏会を強要するのですが…。

ちなみに指揮者のレナード・クーリッジは終戦後「ミュンヘンでワグナー」を題目として希望するのですが、実はワグナーはアドルフ・ヒトラーが最も好んだ作曲家として当時のヨーロッパでは禁忌とされていました。

それでも希望するのはシュライヤー大佐(生死不明)がワグナーの演奏により現れるかもしれないという期待があったからです。そこに坂田靖子先生の耽美的(BL的)があったのだと思われます。直接的な性描写が無くとも耽美的表現をするという独特の感性は購読に値すると思います。

また同時収録の「アモンとアスラエール」。これは不良学生アモンと模範生アスラエール、イギリスの寄宿学校を部隊に描いた作品ですが、現在の漫画界に照らした内容的で見るといわゆるBL漫画に該当します。というのも坂田靖子先生は「やおい漫画」や「JUNE漫画」といった耽美的漫画の元祖ともいうべき存在で漫画家としてプロデビューする前からBL漫画的作品を執筆していました(肉筆同人誌「ラヴリ」が有名ですね)。

少女漫画界での24年組及びポスト24年組の流れを見てみると、当時の少女漫画家はいわゆるBL漫画に特化した形ではなく一般的な漫画も含めて幅広い分野に対応していたように感じます。坂田靖子先生も例外ではなく彼女の描く耽美系漫画も単なるBL漫画の範疇に収まらず、むしろ芸術作品のような印象を感じます。


【ライター:清水サーシャ】


▼外部リンク
誇り高き戦場 (講談社漫画文庫) [文庫]

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