連日の”円”最高値更新 日本はどうなってしまうのか?

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 26日に1ドル75円台と戦後最高値を記録した東京外国為替市場ですが、円高の動きは収まることなく、週明けの31日には、オセアニア外国為替市場で1ドル75円32銭と、最高値をさらに更新するという事態となっています。
 歴史的な円高・ドル安が続き、その原因となったユーロ危機の終わりが見えず、世界経済の混迷は深まるばかりです。

 現在の世界経済の混迷の発端は紛れもなく2008年のリーマン・ショックといえます。その意味でリーマン・ショックは歴史的な大転換点だったのです。既に3年経っていますが、現在でも世界はその影響から抜け出すことができず、アイスランドやギリシャでは経済危機が起き、次はどこの国が経済危機に陥るのか、各国ともに戦々恐々としているといえます。

 もちろん、経済破綻のリスクは日本にも十分存在します。
 リーマン・ショックの発生を的中させ、さらにアメリカ国債のデフォルト(債務不履行)危機、そしてユーロ・クライシスを予言し、世界の金融関係者の間で話題となっている“THE FINAL CRASH”の内容を元に執筆された『ファイナル・クラッシュ』(朝日新聞出版/刊)の中で、著者の石角完爾さんは日本に待ち受ける最悪のシナリオについてふれています。

 2008年秋に起きたリーマン・ショックまでの世界経済は、アジアの経済成長とアメリカの過剰消費という2つのエンジンで好景気を享受していました。しかし、アメリカの消費は低迷、アジア新興国の成長という片肺飛行で世界経済は動いています。さらに、その新興諸国はインフレを抑えるのに精一杯。世界の歯車は狂い始めているのです。
 その中で、石角さんは、日本は世界の大きな危険要因の一つであると指摘します。
 それが「日本が先導するファイナル・クラッシュ」説です。

 世界が懸念しているのは、日本政府の財政状況です。
 負債は財務省の発表で、2010年末で924兆円。OECD(経済協力開発機構)の推計では、2011年にもGDP(国内総生産)比で200%を突破、さらに今回の震災の復興費用が加わり235%になるといわれています。
 失われた20年でもそれほど問題が表面化しなかったのは、アジアの経済成長とアメリカの過剰消費という外部要因のおかげだと指摘します。しかし、日本は今後、労働者人口が減少し、高度成長期の経済モデルは維持不可能です。
 国債がクラッシュしないのは、経常収支が依然として黒字であるからですが、新興国の台頭によって貿易黒字は減りつつあります。さらに3月11日の東日本大震災と、福島原発事故による損害は、「膨らんだ風船に突き刺さる針」ともいえるものです。

 そして、石角さんは、アメリカは日本の財政問題に頭を悩ませているといいます。
 日本政府は巨額のアメリカ国債を保有しており、それは外為特会(外国為替資金特別会計)と呼ばれる日本の外貨準備であり、財務省によればその額、日本円にしてざっと100兆円に達します。
 しかし、日本国債の価格が暴落し、借り換えのために新たな国債を発行しても買い手がつかなくなると、外貨準備を取り崩す策をとる可能性が出てきます。石角さんは、これは「アメリカ国債を市場で売却する」に等しいと指摘します。
 つまり、日本の国債が暴落すると、アメリカの国債も暴落してしまう可能性が高いというのです。

 では、アメリカは一体、どういう策を考えているのか。
 「ジャパン・プロブレム」に対して、アメリカ経済を日本政府の破綻から切り離し、日本を単独で安楽死させる、そのメソッドを研究していると石角氏いいます。

 さらに本書では、世界の冷静な状況分析から、日本の危機管理の甘さ、クラッシュ後の世界、そしてこれからの時代に必要な新たな思想などを提言しています。
 国債の問題や、ドルやユーロの暴落や歴史的な円高など、各々の部分では話題になっていますが、世界の経済を大局的に見るとそうした一つ一つの“事件”がどのような意味を示しているのかが見えてくるでしょう。そうした経済を大局的に見る上で、この『ファイナル・クラッシュ』は重要な示唆をもたらしてくれるかも知れません。
(新刊JP編集部)



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