【日本のオタテク】 未来キター! ふわりコロコロ防衛省が開発した世界初の球形飛行体

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10月20日(木)〜22日(土)に日本科学未来館で開催されていた『デジタルコンテンツエキスポ』で、SF映画に出てくるような球形飛行体のデモンストレーションが行われました。この飛行体は空を飛ぶことはもちろん、陸上を転がりながら進むこともできるとのこと。『スター・ウォーズ』に出てくる偵察飛行体みたいな感じ? 飛ぶけど床も転がるってどういうこと? 未来っぽさにワクワクしながら会場へ向かいました。

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この飛行体を開発したのは防衛省。開発者の佐藤文幸氏はお一人でこの球形飛行体を作り上げました。無人偵察機の仕事でおしりから着陸するテールシッター機の研究をしていた時に着陸の難しさをなんとかできないかと考えていたことから、この飛行体を球形にするアイデアにつながったそうです。

防衛省というとお堅いイメージがあったので、こんなユニークなものを作っているとはと驚きです。“球形にすれば着陸が楽になり、そのまま地面を回転移動できるのではないか”というこのアイデアは、さすがに奇抜で、当初誰も信じてくれなかったそうです。そこで、実際に動くものを見せようと模型を作ったとのこと。

模型といえども材料は秋葉原やインターネットで手に入るものばかり。防衛省であれば、もっとお金をかけられるのではという気がして、そのあたりをうかがってみました。

佐藤氏:浮くためのプロペラは高性能のものでなくてもプロペラとして機能すればいいですし、モーターもモーターとして機能すればいいだけであって、あとは自分の要望する形のものであればということで発泡剤をカッターナイフで切ってくっつけていくという作業でできあがりました。どうやって離れたところでこれを操作するのか、自動で飛ばすのか遠隔で操作するのか、そういったことについてはお金をかければいいという話ではないんです。

と、今後の研究についてもムダなコストをかけるつもりはなさそう。なんだか好感が持てます。

球形飛行体デモンストレーション
実際にデモンストレーションを見てみました。佐藤氏がリモコンを操作すると、フワリと浮き上がった機体が滑らかに上空を移動していきます。摩擦を利用して壁にくっつくことも、急上昇することも、そして床面をコロコロ転がって自在に移動することもできます。動きがなんだかかわいいくて、思わず名前をつけたくなりました。

デモンストレーションの模様は、こちらの動画をご覧ください。

未来キター!防衛省開発の球形飛行体『ニコニコ動画』
http://www.nicovideo.jp/watch/so15941092

この飛行体を作る上で、どの点に苦労されたかを訊いてみました。

佐藤氏:この飛行体が離陸するには上を向く必要があります。そのためには起き上がりこぼしのように重心位置が下に設定されていなければならないのです。ところが飛行機というのは重心位置がかなり前にないとまっすぐ飛ばない。それを両立させるのは非常に難しくて、その点も世界的には非常にめずらしいものです。

なるほど、そういうことを意識してみると、これは簡単なことではなさそう。床を転がって自在に移動ができるという点も考えると、こんなにかわいい飛行体ですが、たくさんの技術を駆使してこういう動きが可能になっていると感動しました。

球形飛行体を接写
ちょっと持たせていただいたのですが、とても軽いです。

実際にこの模型を見て、ものすごく欲しくなってしまったので、一般の人が手に入れることができるかも訊いてみました。

佐藤氏:玩具等はわれわれの目的ではありませんので、あくまでも自衛隊が将来に使う道具の可能性を追求しています

残念、玩具など一般の人が手に入れられる形にはならないようです。それはそうですよね。

この飛行体、現時点では丸いものが飛ぶかどうかの証明の段階で、これから実用化のために研究を進めていくということです。情報収集や災害派遣などさまざまな可能性があるということですが、更に改良が進み、実際にどんな形に進化するのかが楽しみです。

開発者の佐藤文幸氏
写真は開発者の佐藤文幸氏

研究開発|研究所・センタ− 先進技術推進センター『防衛省技術研究本部』
http://www.mod.go.jp/trdi/research/center.html

デジタルコンテンツエキスポ 空も陸も自由自在!球形飛行体『日本科学未来館』
http://www.dcexpo.jp/program/contex/detail.php?lang=jp&code=CT201119&category=22