母親はこんなことを思っていた? 小学生男子の不思議な行動

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 「服の脱ぎ散らかしも一人分とは思えない」「6年生のお兄さんにあこがれる」「口笛で最初に吹きたいのはウグイスの鳴き声」などなど、かつて“小学生”だった男性たちは懐かしいと思うような行動を連発する小学4年生の“息子”を描く、爆笑4コマエッセイ『小学生男子(ダンスィ)のトリセツ』(まきりえこ/著、扶桑社/刊)。
 本書は大人気ブログ「ちくわの穴から星☆を見た」を書籍化したもので、ブログは全国のお母さんや独身の人たち、さらには男性からも支持を集めている。
 では、母親はどんな気持ちで小学生男子を見つめているのか? 今回は作者であるまきりえこさんにお話をうかがった。

―ブログ「ちくわの穴から星☆を見た」を始めたきっかけから教えていただけますか?

「ブログでも少し触れていますが、子どもを育てながら必死で働いてきまして、仕事と育児の両立に心身ともに疲れ退職を決める中で『私には(仕事以外に)趣味もなければ居場所もないじゃないか』ということに思い至ったのがきっかけです。
誰かとつながる場が欲しかった、誰かに話を聞いてもらいたかったし、誰かと「今日のくすっと笑えたささいなこと」を共有したかった、それがブログを始めた理由だと思います」

―そのブログが今回、書籍化されました。このお話がきたとき、どのように感じましたか?

「お話を頂いたのが3月11日の震災からまだ気持ちも落ち着かない半月後のことで、『もう自分のことばかりは考えていられない、誰かのために何ができるのだろうか』と思っていたときに、編集さんから『震災以来、何ができるのかを考えている』『自分もファンでずっと読んでいて、読むとホッとするこのブログを本にして届けたいと今だから強く思った』と言っていただき、同じような思いで皆さん、あれ以来の日を過ごしているのだなと共感するとともに、自分がずっとブログでやりたかったこと、使命感のようなもの『読む人をホッとさせたい、母親をホッとさせたい』ということが形になってやってきたと感じました」

―ご家族の方は書籍化についてどうおっしゃられていますか?

「夫はあまりピンときていないようですね。息子は現在小4で、ブログで描くことを節目ごとに本人に『いいの?』と問いかけてきました。今回もゲラを読ませましたが、書籍化については『オレが読んでもおもしろいから、これはいい本』とのことでした。ただ、友人たちには絶対に本やブログの存在は知られたくないそうです。今彼が一番恐れているのは、本が出て身近な友人の父兄がブログに気づき、友だちがブログを読むことです」

―この本を書籍化するための道のりの中で、大変だったことはなんですか?

「書籍がはじめてのことなので、イメージが湧かず、掲載する4コマ選びや描き下ろし企画のアイデアなど全てにおいて、あれもこれもと欲張って散漫に散らかっていく私を、担当編集さんが核の部分に引き戻してくださったのですが、それが大変だったのでは…と思います。でも、どんな読者さんが読んでくれるのだろうとあれこれ考えるのは楽しい作業でしたね。実務の部分では、ブログにアップしていた4コマまんがの表記やコマサイズが統一されておらず、ほぼ全ページ整え直しました。それが地味に大変でした」

―私自身も息子さんの行動を見て、「ああ、やったなあ〜」とか「この行動、親の目からはこんなふうに見えていたんだ」と感じるところが多かったのですが、母親として小学生の行動で一番不思議に思うことはなんですか?

「母親としてというより、元女子として、男の子って学習機能が壊れてる?と思うことがままあります。女子は叱られたら次は叱られないように…と、行動を整えていくものなのですが、そういう『叱られないためこうしよう』などの損得のブレーカーが吹き飛ぶ瞬間が多すぎます。棒を手にしたらふりまわす、水たまりを見たらはまってみる、そして叱られてはっとなってしゅんとする…。もっとそつなく生きようとは思わないのか?この連中は…と、元女子として強くそう思います」

―厳しいご指摘ありがとうございます(笑)。男の子は自らすすんで危険なことをしたがったりするんですよね。

「よく“女の子はつるむ”っていいますけど、男の子同士も仲間意識が結構強くて、仲間で盛り上がったらマンモスも倒すぞ!みたいなノリがありますよね」

―では、「これだけはやめて欲しい!」と思うことはなんですか?

「トイレに行ったあとに流さないことが多いので、それだけはそろそろなんとかしてほしいですね。本人に『どうして流さないの?』と聞いたところ、終わったら未来のことしか考えていないそうです。『次、広場でサッカーしよう!』とか。快便なので一日に何度も父母の『また流してない!!』という悲鳴が響きますね」

―どんな大人に成長していってほしいと思いますか?

「自分がのびのび暮らせているのは、周りの人たちがおおらかなまなざしで見てくれているからだと知って欲しい。他者におおらかな大人になって欲しいですね」

―読者の皆様にメッセージをお願いします。

「子どもがきちんとしていないと母親が責められる風潮がありますし、さらには子どもたちへの圧力となって、彼らから『おばかな子ども時代をのびのびと生きる』楽しさを奪っているように感じます。日々、防波堤となって彼らの『おばか時代』を守ってやっているお母さんたちを尊敬します。この本を読まれた方、おばかダンスィ(ジョスィ)と、彼らの後ろで今日も小さくなっているお母さんたちをどうか温かく見守ってあげてください。彼らもいつか『おばか時代』を卒業します。多分…」

 子どものいる全国のお母さんたちから「励まされます」という声があがっているという本書。また、男性からは「ああ、こんなことやったなあ」「懐かしい!」と自分の子どもの頃を重ねて読んだり、独身の方からは「家族を持つことって楽しそう」というコメントも届くそうだ。
 それぞれに合った読み方ができる『小学生男子(ダンスィ)のトリセツ』。気になったら是非とも手にとってみてほしい。
(新刊JP編集部/金井元貴)

■まきりえこさんプロフィール
 福岡在住イラストレーター 魚座O型。2006年、「はな」のハンドルネームで、ブログ「ちくわの穴から星☆を見た」を開始。ブログタイトルは「ありきたりな家庭のぬくもり(ちくわ)の中で見つかる、きらめくような瞬間(星)をあらわしているとも、作者得意のやっつけでつけただけとも。

ブログ「ちくわの穴から星☆を見た」
http://ameblo.jp/pohoo/



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