野田佳彦首相と李明博(イ・ミョンバク)大統領は19日、韓国・大統領府で首脳会談を行い、日韓間の通貨スワップを現在の130億ドル規模から700億ドル(約5兆3700億円)に拡大することで合意した。

 現在の日韓通貨スワップは130億ドル水準で、5倍を超える規模となり、韓国が日本から資金を受けるとき、韓国は700億ドル相当のウォン貨を日本に提供し、日本は300億ドルに相当する円貨と米ドル貨400億ドルを提供する。複数の韓国メディアが報じた。

 韓国メディアは「ケチな日本が、予想を超える日韓通貨スワップ700億ドルを締結」「3年前とは違い、今回はスムーズに締結」と題し、今回の協定の背景を分析し、伝えた。

 2008年の世界的な金融危機の際、否定的だった米国との交渉は困難を極めたが、韓国はようやく米韓通貨スワップを引き出した。そして、これをもとに、日本、中国との通貨スワップを相次いで締結し、危機からかろうじて脱出した。

 しかし、3年後にあたる今回の協定はスムーズに締結された。その背景には、外国為替の健全性など、韓国の経済の体力が3年前と大きく変わった点や、自由貿易協定(FTA)がテコの役割をしていたためであると分析した。

 また政府関係者は「韓日通貨スワップの規模は、基本的に以前よりは大きくなければならないという前提の下で、日本側に500億ドル〜700億ドル程度を提案したが、日本が意外にも700億ドルにしようと申し出た」と明かしたという。

 通貨スワップが予想よりも大規模で、スムーズに合意した背景には、円高で困難を経験している日本側の状況もあると指摘されている。

 サムスン経済研究所チョン・テソン先任研究員は、「韓国と日本は、世界の貿易市場での輸出競争関係にあるため、円高は日本の輸出企業としては不利な条件となっている。ウォン安が続くと、結果的に日本の輸出企業の価格競争力を低下させる状況となるため、ウォン相場が安定して動くことが日本側にはるかに有利だ」と述べたと紹介されている。(編集担当:李信恵・山口幸治)