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テキスト系妄想メディア「ワラパッパ (WARAPAPPA )」より

子どもの頃は特撮ヒーロー物に夢中だった。ヒーローの活躍に胸を躍らせつつ、心のどこかで「怪人、勝たないかな」と淡い期待を抱いたりしていた。もちろん、怪人が勝ってしまったらヒーロー物は成り立たないし、(ドラマの中の)世の中が大変なことになってしまう。分かっていても、「怪人が勝ったらいいのに」というイケナイ気持ちが僕の心の柔らかい場所をしめつけたものだ。

怪人たちへ密かなエールを送り続けて早幾年。「たまには怪人が勝てばいいのに」という気持ちは今でも変わらない。そして、昔の怪人の写真を肴にお酒を飲みながら、「これじゃあ、勝てないよなぁ」とため息をついたりしている。何と言うか、詰めが甘いのだ。本気でヒーローを倒す気があるなら、もっと細かい部分までちゃんとしないといけないと思う。きっと、本気で倒す気なんてないのだ。そんな怪人たちだからこそ、どこか愛おしい。

今回は、数あるヒーロー物の中から「バトルフィーバーJ」という作品に登場する怪人たちを検証したい。

「バトルフィーバーJ」は、今も続くスーパー戦隊物の第3弾として1979年から80年にかけて放映された。ちなみに、スーパー戦隊物の第1弾は1975年から77年にかけて放映された「秘密戦隊ゴレンジャー」と言われているが、それには別の解釈があったりして色々とややこしい。巨大ロボ戦を取り入れた「バトルフィーバーJ」がスーパー戦隊物の始まり、という意見もある。現在は「ゴレンジャー」が第1弾、という見解が定着しているようなので、僕もその立場に立って「バトルフィーバーJ」の怪人たちを振り返っていく。

と、その前に、「バトルフィーバーJ」のヒーロー側について簡単に説明しておこう。

「バトルフィーバー」は「ゴレンジャー」と同じく5人編成の戦隊だ。国防省の最高幹部、倉間鉄山将軍によって結成された秘密捜査組織で、メンバーは世界各地で訓練を積んだ若者たちだ。メンバー構成は以下の通り。

バトルジャパン:リーダー、カンフーダンスを取り入れた技と槍が得意。
バトルフランス:スパニッシュダンスを取り入れた格闘技の使い手。キザなプレイボーイ。
バトルコサック:ソビエトのコサック地方で育つ。コサックダンスを生かしたキックやジャンプからの攻撃が得意。怪力。
バトルケニア:アフリカ民族の踊りを基本としたトロピカルダンスの技でワイルドな戦闘をする。動物の言葉が理解出来る。

この4人に紅一点、ミスアメリカという隊員が加わってバトルフィーバー隊となる。


「ディスコダンスの技で戦う、ミスアメリカ」

ちなみに、前述の倉間鉄山はこういう感じだ。


「私がバトルフィーバー隊を作りました」


このバトルフィーバー隊と相対するのが、悪の秘密結社「エゴス」である。
エゴスから送り込まれてくる怪人たちを、カテゴリー別に見ていこう。


■無表情な怪人部門

無表情な怪人部門、エントリー1番目は「デスマスク怪人」だ。


「冷え性で悩んでいます」

バトルフィーバー隊の秘密兵器の設計図を手に入れようとフィーバー隊を罠にかけようとしたが、逆にバトルジャパンのおとり作戦にかかって失敗、やられてしまう。

続いてのエントリーは、「ドグウ怪人」


「これ、どこに運びますか?」

国防省のレーダ基地を占領し、偽の誘導電波でフィーバー隊を罠にかけようとするが失敗、やはりやられてしまう。

無表情なこの2大怪人は、どちらもフィーバー隊を罠にかけようとしている点と目をつむっている点で共通している。


■能力が微妙部門

続いては「能力が微妙部門」にエントリーされた怪人だ。

まずは、これ。
「ホータイ怪人」だ。


「日焼けには気をつかっています」

この怪人は、「その場に落ちていた髪の毛一本、残された足あとからでも、その人間の姿やかたち顔までも分かってしまう(「カード図鑑バトルフィーバーJ」より)」という能力を持つ。そのサイコメトラー的な力でバトルフィーバー隊の素顔がエゴスに知られてしまった訳だが、素顔がばれることがそれほど致命的だとは思えない。

続いてはこの人、「ゼニゲバ怪人」


「この100円使えますか?」

この怪人の武器は、体中についているコインを投げて攻撃する「銭形爆弾」だ。銭形平次の悪人版といった風情であるが、ゼニゲバと名乗っている割に小銭で攻めてくるあたりに好感を持てる。


続いてのエントリーは、「ネンリキ怪人」


「冬場はデスマスク怪人からマントを借りています」

この怪人の特技は「念写」。念写でバトルフィーバーロボットの秘密を盗み出そうとするが、失敗。やられてしまう。



■子どもを巻き込もうとする部門

世界征服にあたって、まずは子どもたちを巻き込もうとする怪人もいる。

「スポーツ怪人」だ。


「好きなスポーツ番組は『うるぐす』です」

人々の精神を堕落させようと、「苦しい練習をすることなしに名選手になれるという甘い言葉で、スポーツにあこがれる少年をあつめ、スーパー少年をつくりあげ、スポーツ界をめちゃくちゃにしようとした(「カード図鑑バトルフィーバーJ」より)」。

僕が子どもだったら確実にスポーツ怪人の甘い言葉に乗っていたと思う。

続いてこの人、「怪人バラリンカ」


「漢字で薔薇って書けるほど薔薇が好き」

学校の先生に化けて子どもたちに魔の手を伸ばした怪人だ。その手口は、こうだ。

「超催眠殺法を使って子どもたちをあやつり、親に対して反乱を起こさせ、家庭を破壊しようとする恐ろしい怪人だ(「カード図鑑バトルフィーバーJ」より)」

家庭の崩壊は地域の崩壊を招き、やがては国家存続の危機へと発展する。実に恐ろしい手口だが、「人工カプセル育ちだったので、大地の沼には弱かった」という理由でやられてしまった。

次はこの人、「口裂け怪人」


「毎週日曜日に包丁を研いでます」

当時、世間をにぎわしていた口裂け女の正体、という設定だ。「マスクをかけて子どもたちに近づき正体を現す(「カード図鑑バトルフィーバーJ」より)」。

なんと、口裂け女の正体はこんなに怖い怪人だったのだ。ポマードが苦手、など口裂け女については色々な撃退法が噂されていたが、この怪人がポマードを怖がるとは思えない。 


■地上最強の女部門

バトルフィーバーにやられてばかりのエゴスが、アメリカから呼び寄せた地上最強の女。

「女参謀サロメ」


「何か羽織る物ちょうだい!」

地上最強の男はヒクソン・グレイシーと認識しているが、その女性版がこの「女参謀サロメ」である。

「アメリカで起こっていた謎の殺人事件の大部分は彼女のしわざだった(「カード図鑑バトルフィーバーJ」より)」。というから、その凶悪さは計り知れない。


■手口がややこしい部門

入り組んだ手口でバトルフィーバーに挑んでくる怪人部門。

まずはこれ、「ヘンショク怪人」


「ハロウィンじゃないぞ」

この怪人の手口はややこしいので、カード図鑑の説明を全文載せよう。

「この世にあるものならば、何でも食べてしまうという恐るべき悪食のヘンショク怪人。それがヒトデに姿を変え、バトルケニアに近づいた。それは、これまた雑食のケニアに食べられて、ケニアの体の中から反対に彼を食べてしまおうという計画だったのだ」

国語の文章題としても使えそうであるが、この文章のポイントはヒーロー側のケニアがヒトデを食べるという点にあると思う。どっちもどっち、と言いたくなってしまう。


続いてはこれ、「銀河怪人」


「頭の穴のフタを探しています」

この怪人の手口もややこしいので、全文を。

「エゴスには、閏年の2月29日に生まれた女性を妻にして子孫を増やすという風習があった。サタンエゴスは宇宙人の血液が体に流れる銀河怪人を使って人間との間に新人類を作りだそうとしていた。花嫁に選ばれた美女に野獣のような銀河怪人がせまる」

壮大な計画だが、最後の一文は日活ロマンポルノの宣伝文句のようでもある。


■投げやりなネーミング部門

最後に、ネーミングをもう少し考えてあげた方が良かったのに、と思える怪人だ。

この人、「青スジ怪人」だ。


「注射が楽ね、と看護婦さんから言われます」

体中に青スジが走っているから、青スジ怪人。

さらにこの人、「格闘技怪人」


「素顔にて失礼」

一言で「格闘技」と言われても、格闘技にも色々種類があって…。などと言ってはいけない。この格闘技怪人は、「格闘技の王の中の王(「カード図鑑バトルフィーバーJ」より)」なのだ。「ラストエンペラー」と言われているエメリヤーエンコ・ヒョードルとの戦いが実現すれば、世界中の注目を集めることは間違いない。




以上、「バトルフィーバーJ」に登場する怪人たちを振り返ってみた。どれも心ひかれる怪人ばかりである。しかし、どうがんばっても怪人は怪人。最後は必ず負けてしまうのだ。お疲れさまでした、と彼らに声をかけてあげたい気持ちで一杯だ。
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この記事の元ブログ: 昔の怪人に思いを馳せる


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