谷村美月(撮影:野原誠治)
 広島城や原爆ドームなど広島の名所で撮影され、10月22日より広島先行公開となる映画『サルベージ・マイス』。本来の持ち主に宝物を返すことを生業とする正義の怪盗“サルベージ・マイス”を演じるのは、本作がアクション初挑戦となる若手実力派女優・谷村美月。21歳にして数多くの映画に出演し、多彩な役柄を演じ分ける彼女に、共演者である15歳の空手美少女・長野じゅりあとのエピソードや、彼女自身が感じる“世直し”などについて話を聞いた。

――『サルベージ・マイス』は“義理と人情の街”広島が舞台となっていますが、撮影で滞在されてみて、広島の場所や人柄で何か感じることはありましたか?

谷村美月(以降、谷村):実際に広島城とか、広島の名所で撮影があって、具体的にココというよりは、2〜3週間ほどでしたが、東京に帰ってくるのではなく、ずっと広島にいて。作品に寄り添うような形で、ずっと現場に居られたので、その土地で撮影をする大切さに気付きました。

――お好み焼きを食べるシーンもありましたが、美味しい物は食べられましたか?

谷村:やっぱり、お好み焼きですね。母が広島出身なので、広島焼きは家でも食べる機会が多かったんですけど、広島にうどんとそばを選べるお店があって、「広島焼きに、うどんを入れるんだ!」という発見があったり。私は生モノやお刺身が苦手で、美味しいお魚とかは食べられないので、食べられる物が限られてはいたんですけどね。

――今回演じられた真唯は明るい性格の持ち主でしたが、谷村さんご自身と比べて共通点を感じる部分はありますか?

谷村:真唯ちゃんは、私の中にもある部分なんだと思います。映画の中では「こういう役柄」ってハッキリしないまま終わっているんですけど、複雑というか、色んな面を持った女の子だなと、観終わってから思いました。

――今まで難しい役柄や、不幸な設定のキャラクターを多く演じられている印象がありますが、役のイメージの影響で、谷村さん自身のイメージを周囲の人から「こういう人だよね」と言われたり、逆に自分としては「こういう人間だ」と実感していることはありますか?

谷村:よくお仕事をしていて言われるイメージは、役の印象かもしれないんですけど、「ミステリアス」とか。確かに読書が好きで、本は読みますけど、「落ち着いてる」とか「静かそう」と言われますね(笑)。ちょっとアクティブな一面を見せると、驚かれたり。でも、学生の頃はむしろ、じっとしていられない、スポーツが大好きな女の子だったので。私からしたら、そっちの方が私自身なのかな?とも思ったりします。

――谷村さんはダンスの経験もあるそうですが、今作でアクションに初挑戦されてみて如何でしたか?

谷村:同じ映画とはいえ、見せ方がちょっと違うものなのかな?と現場に居て感じましたね。難しかったです。格好とか決めポーズが色々ある中で、その上で芝居をしなきゃいけないので、普段の2倍仕事をしているような。色々なことに意識を分散させなきゃいけなかったので、作品全体のことを考えることが多かったかもしれないですね。

――ダンスは、どんなジャンルですか?

谷村:一応、中学の部活で3年間ほどジャズダンスをやっていました。

――以前、清水翔太さんのミュージックビデオではクラシックバレエを踊られていましたが、その撮影のためだけに練習されたんですか?

谷村:そうなんですよ。そのミュージックビデオ撮影のために1日8時間位みっちり、先生にガチガチに鍛えられて。でも、そういう成果が今も体が柔らかいという点で残っていたりするので、今回それを活かしてアクションとして取り入れていることが多かったですね。