韓国・大統領府で19日、野田佳彦首相と李明博(イ・ミョンバク)大統領が首脳会談と共同記者会見を行い、朝鮮王朝時代の行事を記録した文書「朝鮮王室儀軌」などの一部を引き渡された李大統領は、両国が未来に向かう象徴だと評価した。複数の韓国メディアが報じた。

 野田首相が李大統領に引き渡した図書は、「正廟御製」2冊と朝鮮王室儀軌(朝鮮王朝時代の祭礼や主要行事を絵や文で記録した書物)の中の「大礼儀軌」1冊、「王世子嘉礼都監儀軌」2冊の計5冊。

 韓国メディアは、野田首相は5冊の本を持って訪韓したが、これらの図書は1922年に、朝鮮総督府が日本の宮内庁に寄贈する形で搬出されてから89年ぶりに母国へ帰ってきた資料と説明した。

 野田首相が直接持ってきたという点と、韓日首脳会談で、図書が引き渡されたことは、両国の不幸だった過去の歴史を清算し、新しい関係を造成しようとする意図が大きいとの見方を示している。

 また、韓日図書協定に基づき、12月10日まで、日本の宮内庁で保管されていた図書1205冊が引き渡される。この中には1909年に統監職を辞めた伊藤博文が貸出の形式で持っていった本66種938本が含まれているという。

 過去6年間、日本を行き来して返還運動を展開してきた儀軌還収委員会の中心となった韓国仏教界は、今回の返還は市民の勝利とし、歓迎しているものの、伊藤博文が奎章閣で借りた本を引き渡すよう要求していなかった点など、政府の消極的な態度を批判した。(編集担当:李信恵・山口幸治)