外資系金融機関が日本法人をリストラし、拠点を香港やシンガポールに移しながら、販売チャネルをウェブに移そうとしていると「ゆかしメディア」が報じている。

   記事によれば、外資系金融機関の営業マンの年収は2000万円から3000万円程度。香港に異動すれば、それが6割の1800万円になる。これをウェブデザイナーに置き換えると、600万円程度に抑えられるというのだ。

「人件費5分の1」大リストラ断行する外資

   もしも高給営業マンの2割の人件費で、同じ程度かそれ以上の売り上げを達成できるのであれば、会社もそれに越したことはない。航空会社が自社のウェブサイトを充実させ、代理店を介さない売上げを大きく伸ばした例もある。

   しかしネット上には、「営業マンがなくなることはない」と反論する声が見られる。

「安物ならともかく、高価なものや商売としての取引に営業マン通さないとか絶対ない」
「高級外車なんて営業なしで、ネットで売れるのか? 試乗も契約も故障時も営業呼びつけだと思うんだが」

   会社の信用やサービスなどを考えると、やはりネットだけで買うことは考えられないというわけだ。一方で、ネットの販売チャネルが充実して営業マンが減ることを歓迎する声もある。

「営業に支払う人件費を、商品に投資するわけだな。普通に考えてそっちの方が合理的な時代になってきていることは確かだ」
「消費者が賢くなればなるほど、営業はいらなくなっていく」

   数千万円の年収を支えるのは、客が支払う代金や手数料。「無駄に高い高給取りを養うのが消費者じゃないんだぞ!」と憤る人がいるのも分かる気がする。

   ただし、ネット上に販売サイトを作れば、どんどん商品が売れるようになるというわけでもない。結局は「莫大なお金をかけてテレビCMを打ったりしてお客を集める」のだから、安上がりになるかどうかは分からない、と指摘する人もいる。

日本企業に対する「差別化戦略」の一環か

   J-CAST会社ウォッチで「営業は難しい〜ココを直せばうまくいく!」を連載中の大関暁夫氏は、「ネット販売」と「人を使った営業」は役割を分けながら、今後も両立していくだろうと語る。

「定型的な仕事はネット販売に置き換えられ、削減したコストは消費者に還元されるでしょう。しかしリスクが高く複雑な金融商品を、ネットで売るのは簡単ではない。貴重な資産を託すわけですから、相対での説明をきちんとできる営業マンは引き続き必要になると思いますよ」

   これまで日本の個人投資家は、信頼できる会社から安心して購入できる金融商品を購入する傾向が高く、それを体現する「信頼できる営業マン」が何より重要だった。しかし今後は、自己責任でより高い利益を追い求める人が出てくるかもしれない。

「もともと外資系の運用会社には、日本の金融機関のような信用基盤がない。金融商品の知識があるお客が、高いリスクを負って取引できるウェブ販売を打ち出し、差別化を図ることはありうるでしょうね」