「仕事をしたつもり」状態になってない?

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 毎日夜遅くまで残業しているのに、なかなか成果が出ない。そんな状態に陥ってしまうことはないでしょうか。リクルートグループで20年間以上、雇用の現場を見てきたという海老原嗣生さんは新刊『仕事をしたつもり』(星海社/発行、講談社/発売)で、多くの人が「仕事をしたつもり」状態に陥っていると述べます。

 ではどうして、「仕事をしたつもり」状態になってしまうのか。
 理由の1つは「量の神話」です。ビジネスの場面でいえば、「勤務時間」が最もたる例です。
 毎晩22時まで残業する人と、定時きっかりに帰る人。2人がまったく同じ業績を残している場合、評価されるのはどちらでしょうか?
 経営の視点から言えば、業績が同じであれば、評価も同じになります。
 しかし、22時まで残業している人には残業手当が発生しますし、夜遅くまでオフィスを使っているわけですから光熱費もかかります。
 となると、残業する人のほうが明らかに「マイナス評価」となります。
 ところが現実は、残業する人のほうは「頑張っている」という評価が下され、定時退社の人は「もっと頑張れる」と思われる。つまり、逆転現象が起きているのです。
 また、この「量の神話」は例えば会議の資料の枚数や、メモの取る量なども当てはまります。

 他の理由もあります。
 海老原さんは中身より形にこだわる「ハコモノ志向」をあげています。これはいわゆる「意味をあまり考えず、とりあえず形だけはやっておこう」という仕事のこと。
 例えば、目標を達成するために「1日200件、お客さまに電話をしろ!」と命じられたとします。しかし、この「1日200件」はどこから出てきた数字でしょうか。これまでの実績をもとに算出された数字であるならば、確かに合理的だといえます。しかし、この数字をノルマにした途端、その意味を成さなくなってしまいます。
 なぜか。それは電話を200件かけることが目的となってしまうからです。200件電話をかけたからといって、受注につながらなければ意味はありません。
 海老原さん曰く「アポ取り電話で一番重要なのは、会話の合間合間に見られる相手のちょっとした「素振り」を感じ取ること」。受注につながる“芽”みたいなものを拾い上げ、それをうまく育てることが「1日200件」の本来の意味であり、ただ電話を200件かけるという「形」でやっている場合、売り上げは上がらないでしょう。

 『仕事をしたつもり』には他にも様々な「仕事をしたつもり」に陥るシチュエーションが説明されています。
 「仕事をしたつもり」は、安易で簡単であり、見せかけのインセンティブもあると海老原さんは指摘します。だからよくその状態に陥ってしまうのでしょう。しかし、そこから一歩抜け出すために、まずは自分の仕事を見直してみるのも良いのかも知れません。
(新刊JP編集部/金井元貴)



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