変幻自在、距離の支配者ドミニク・クルーズ。対戦相手によって、アジャストしてくれるスタンドの動き、今回はどんな手を用意しているのか

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1日(土・現地時間)、UFCにとって、初の首都決戦となるUFC LIVE「Cruz vs Johnson」が、ワシントンDCのベライゾン・センターで行われる。メインは大会名にある通り、UFC世界バンタム級選手権試合ドミニク・クルーズ×デメトリウス・ジョンソンだ。

WEC時代から数えて4度目の世界バンタム級王座防衛戦となるドミニク。左右両方の構えから、パンチや足技を打ち分け、組みついてテイクダウンできる――MMAを進化させたファイターにとって、今回の王座防衛戦は一味違った展開になる可能性がある。

これまでは、その変幻自在のステップワークで対戦相手を翻弄し、一発狙いに追い込んでは、面白いようにテイクダウンダウンを奪ってきた。フェザー級時代の07年に唯一の敗北を喫したユライア・フェイバーを相手に行なった7月の防衛戦でも、スピードとパワーに長じたユライアを相手に、それ以上のスピードと間合いの妙技と見せつけて判定勝ちを収めている。

173センチ、バンタム級としては長身の部類に入るドミニクに対し、ジョンソンは13センチも低い160センチ。これまで世界戦を戦ってきた4人の対戦相手の上背はアベレージで166センチで、ジョンソンよりも6センチ以上も高い。リードパンチからテイクダウンを得意とするファイターが多いバンタム級にあって、その姿勢の低さは十分な武器になるといえる。

加えて両者のリーチ差は僅か3センチ、つまり片方で1.5センチの違いしかない。となれば、今回のドミニクが取るべき選択は、ミドルやハイキックで、ジョンソンの姿勢を起こすこと。上体を起こして、低く潜り込ませないようにすることが目的の蹴りを多用することが考えられる。

と同時に、蹴りの直後の位置取り次第では、ドミニクがバランスを崩し、ジョンソンにテイクダウンを許しやすくもなる。そうなれば、試合の行方は見えなくなる。王者ドミニクのパーフェクトぶりは、上に記したように過去の試合を見れば明らかだが、それはスタンドの打撃からテイクダウンにおいて。

試合中に下になることが、ほとんどないドミニクだけに、ジョンソンがテイクダウンを奪えば、これまでにないドミニクを見ることができる。バレット・ヨシダに手ほどきを受け、その後はウィルソン・ヘイスやロイド・アーヴィンに柔術を習うドミニク。エスケープ能力は疑いようがないが、果たして寝技のスタミナも、スタンドほど持ち合わせているのか。

そんな局面にならないことがドミニクのゲームプランだが、ジョンソンがテイクダウンに成功し、その後のグラウンドの展開でのドミニクの姿を見てみたいと思わせるメインイベントだ。
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