ラグビーで一番大事なものとは?

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 現在、ニュージーランドでラグビーのワールドカップ(W杯)が行われている。日本代表は、カナダ戦で23−23の引き分けで惜しくも勝ちを逃し、20年ぶりとなるW杯2勝目を挙げられず、1分け3敗で大会を終えた。
 ラグビーは、身体を激しくぶつけ合うスポーツ。だからこそ、海外選手に比べ体格に劣る日本人選手がW杯で勝利する日を待ち望んでいる人も多いだろう。
 厳しい練習に耐え、仲間を信じ、協力し合わなければトライは奪えない。そんなラグビーから得るものは多い。

 岩波ジュニア新書から出版されている『仲間を信じて』(岩波書店/刊)の著者である村上晃一氏は、ラグビーから多くを学び、信頼できる仲間を得たという。
 本書に登場する6人のラガーマンは年齢も育った環境も違うが、村上氏と同じくラグビーに出会って何かに気づき、人生を豊かにした人たちだ。そんなラガーマンたちの成長していく姿を紹介していく。

 本書で紹介されている人物の一人、大畑大介氏は、日本ラグビー界を牽引した男だ。テレビ番組「スポーツマンNo.1決定戦」(TBS)で優勝し、端正な顔立ちもあり、人気を博した。ラグビーをあまり知らない人でも「大畑大介」は知っているという人も多いだろう。

 村上氏は大畑氏を「努力する天才」と評する。
 泣き虫だった幼少時代、父・孝さんの影響でラグビーを始め、小学生の時に大阪ラグビースクールに入り、飛び抜けた運動神経を発揮して活躍し、自分の居場所を見つける。その後、東海大学付属仰星高校に進学。今では全国屈指の強豪校として知られているが、当時はまだ全国出場経験もなく、高校日本代表選手も出していない高校だった。そんな状況の中で大畑氏は学校の上履きに「目指せ!全国制覇」、「目指せ!高校日本代表」と書き、高校2年生の冬には全国大会初出場を成し遂げ、高校3年生では高校日本代表にも選出されたのだ。
 そして大学は「しんどいほうを選べ」という父の言葉に従い、関西でもっとも厳しい練習で知られる京都産業大学に進学。卒業後は神戸製鋼に入社し、全国社会人大会で全国優勝を経験する。2001年から2002年にはオーストラリア、フランスのクラブチームでプレー、活躍を見せるが、その後は怪我と戦いながらプレーをし、2011年1月9日の試合を最後に現役生活にピリオドを打った。
 大畑氏は「ラグビーで一番大事なのは信頼」と語る。オーストラリアに行った際、最初は全然ボールが回ってこなかった。どこの馬の骨とも分からない人間に大事なボールは託せない、ということだ。試合中に適当な人間は、敵であろうが味方であろうが信用されない。大畑氏はそこで自分の課題を克服し、テストマッチ(代表試合)のトライ世界記録を樹立するに至るのだ。

 スクラムでのぶつかりあい、流れるようなパス回し、すばやいフェイントで相手を次々とかわしトライを決める・・・泥臭く、荒々しくもあるラグビーのプレーは見ごたえがある。その中でもがき、栄光をつかんだ選手たち。そんな彼らの姿勢から私たちにも得ることがあるのではないだろうか。
(新刊JP編集部/田中規裕)



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