“高齢者に優しい”朗読の効力とは?

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 普段、朗読を聴く機会はあるだろうか。
 もしかしたら学生の頃、国語の時間に他の生徒が朗読していたのを聴いて以来、すっかり聴いていないという人もいるかも知れない。
 しかし、現在朗読が見直されてきており、オーディオブック配信サイトの「FeBe」の運営元である株式会社オトバンクの調査によると、シニア層のオーディオブックの利用者が前年と比べて2倍に増加したことが分かったという。

 では、朗読は具体的にどのような効果をもたらすのか。S&Kサウンドクリエイトから販売されているオーディオブックCD『3D文学作品集「脳で感じる朗読」』(ヤフー、アマゾン、ライブドア買う市、ビッダーズで販売、CD3枚組)の監修者である目白大学言語聴覚学科の坂田英明教授にインタビューを行った。

◇   ◇   ◇

――朗読を聴くということは具体的に脳にどのような好影響があるのでしょうか。

「音は耳で聞くとhear、脳で聴くとlisten toになります。「聞く」と「聴く」これは全然違います。本朗読CDは脳で聴き活性化されるよう作られています。前頭葉・側頭葉への刺激に加え、音をよく聴くことで方向感覚がはっきりし、知らず知らずのうちに脳の中の脳幹という場所が刺激され、自律神経が安定し毎日いきいきしてきます」

――また、(脳以外の)身体についてはどのような好影響がありますか?

「耳からの情報は単に脳に情報を伝えるばかりではなく脳幹を通ります。脳幹は血液循環・呼吸・体温調節・睡眠などをコントロールする中枢ですので、朗読CDを耳から直接聴くことで、基本的な生活リズムを安定させてくれます」

――このCDには『蜘蛛の糸』や『よだかの星』などの古典名作が収録されていますが、どうして古典名作を選んだのでしょうか。

「この朗読CDに収録されている作品は、童話として親しまれてきた作品を集めました。昔読んだ懐かしい記憶を思い起こし考えることは、安らぎを感じることで心の安定や癒しの効果もあります。また、ご高齢者には、言語的記憶や注意・集中力が改善し、認知症の回想法にもつながります」

――本作は「3D」と銘打たれています。音で「3D」というのはなかなか聞きませんが、「3D」にはどのような仕掛けがあるのでしょうか。

「音には、高低・強弱・リズムがありますが、これを空間的に表現することで、単調な朗読に臨場感が増し、脳が刺激されながら朗読の深い感動と醍醐味を味わうことができます」

――この『3D文学作品集「脳で感じる朗読」』はどんな人に聴いてもらいたいですか?

「理解しにくい言葉を理解しやすいように直してありますので、お子様からご高齢者まで、幅広い年齢層の方にお聴きいただきたいと思います。また、本を読む時間の余裕がない方や読みづらい環境にある方にも手軽にご利用いただけると思います」

――今後、オーディオブックについて期待していることはありますか?

「ご高齢層が増える中、どなたにも気軽に本を楽しんでいただけるように、オーディオブックのさらなる環境整備を期待しております」

(了)



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