10月期ノイタミナ『ギルティクラウン』公開直前! キャラクター原案・redjuice氏も衝撃の「″鬼″すぎる」制作現場

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 10月期からのノイタミナで放映が決定しているテレビアニメ『ギルティクラウン』(フジテレビ系)は、謎の能力を獲得した主人公が、政府と抵抗勢力との争いに巻き込まれて行く、近未来の東京を舞台にしたアクションエンターテインメント。本編公開前から話題となっている同作のキャラクター原案を担当するのが、クリエイター集団・supercellのメンバーでもあるイラストレーター・redjuice氏だ。アニメ制作に携わるのは初となる同氏に、その制作秘話を聞いた。

――『ギルティクラウン』への参加の経緯を教えていただけますか?

redjuice スタッフの方々が多くのイラストレーター、アニメーターの候補者の中から、最終的に絵を見て作品コンセプトとの相性などで選んでいただいたと聞いています。挿入歌を担当されるのはryo(supercell)さんですが、僕はsupercellの括りで参加したわけではなく、それぞれが選ばれたという感じです。ryoさんは場面やシチュエーションに合わせてテーマソングを作ることにかけて天才的なので、この作品にはベストチョイスだと思います。

――キャラクター原案として『ギルティクラウン』に携わっておられるredjuiceさんですが、今回は実際に制作スタジオに通われているとうかがっています。アニメ制作の現場の空気はいかがですか?

redjuice 元々アニメの現場は大変だろうとはずっと思っていたけど、みんな鬼ですね(笑)。魔法のように絵を描いていて、うまいだけでなく仕事への覚悟、気迫がすさまじい。1日8時間以上、365日絵を描き続けることは究極のトレーニングといえますが、それを実践するための集中力やタフさを身に付けるのは並大抵のことではない。普通の人だったら発狂しますよ、本当に。アニメスタジオのスタッフはアーティスト集団であり、職人集団ですね。スタジオに入ると、自然と気が引き締まります。

――制作に携わる中で、本業であるイラストレーターと、アニメーターの違いは感じますか?

redjuice 技術的な部分では、空間の把握力には絶対的な違いがありますね。画面の中の奥行き感を直感で感じ取って、各要素を画面の中に配置できるという資質がアニメではすごく重要なんです。単体のイラストは、常に一瞬しか切り取らない。画面全体の整合性よりも、ドラマティックさが優先され、精密なカメラ設定も必要とされないのが平面構成です。アニメの場合は立体的に動かすので、空間把握を正確にできないといけないので、勉強になります。

 僕は自分のオリジナルイラストで描くキャラクターは風景の一部でしかないと思っていますが、アニメのキャラクターはまず個性ありきで、それに違和感のないようにデザインを肉付けしていく。技術的な手法の違いもありますが、イラストとアニメでは思考的なプロセスの違いが大きいです。

――個性的な数多くのキャラクターが既に公開されていますよね。スタッフの方々からはやはり、メーンヒロインの歌姫にしてレジスタンス組織・葬儀社のメンバーでもある「楪(ゆずりは)いのり」ちゃんが人気だと耳にしました。redjuiceさんはお気に入りのキャラクターはいますか?

redjuice お気に入りというか、ヒロインのいのりは別にすると、なぜか一番多く描いたのは葬儀社のオペレーターのツグミです。別にリテークが出たわけではなく、勝手に描いてましたね(笑)。特に指示が出たわけではないのですが、ネコ耳を付けたら、スタッフからは何の疑問もなくOKが出ました。そういう意味では、僕の趣味が詰まってます。

 あとは、黒髪ショートメガネ委員長! の草間花音。実は、シナリオにはそもそも存在しなかったのに、勝手にキービジュアルを描いたら即採用されました(笑)。

――redjuiceさんの熱意に圧倒されたんでしょうか(笑)。そういう、信頼関係というか、共同作業であるアニメ制作では、呼吸の合ったチームワークがやはり必要ですよね。

redjuice もちろんチームワークなしでは成立しない世界です。だから現場にも席をいただいて、多い日で週3日通っていました。空気感を共有している中で作業をするのは1人とは全然違って、好き勝手やっていても監督がまとめてくれるという安心感はあります。なんだかんだでアニメも個人プレーの積み重ねとはいえ、現場で作業をするのは刺激的だし効率的で、そんな感覚的部分も表現に影響していますね。

──スタンドアローン・コンプレックスですね(笑)。それこそ『攻殻機動隊』制作などで知られるProduction I.Gとのタッグということもあり、本作においては3D技術も注目だといわれています。

redjuice 僕もイラストでCGを使いますが、あくまで3DCGをイラストの味付け程度に使っているだけです。この機会にプロフェッショナルの仕事から学ばせてもらいたいくらい。例えばいのりが連れている「ふゅーねる」くんというロボットがいるんですけど、3DCGでモックアップ(模型)を作って、「これを参考にお願いします」という感じで提出することはあります。やはり、『イノセンス』など押井守監督作品参加をはじめとする、業界トップクラスの3DCGやVFXの技術を持っているチームと一緒に制作できるのは心強いですね。

──制作はProduciton I.G 6課という、中でも勢いのあるスタジオだというのも大きいですね。「ふゅーねる」くんは、『攻殻機動隊』の「タチコマ」を彷彿とさせます。

redjuice タチコマと同じく、糸を吐きますからね(笑)。実際、「マスコット的ロボットは欲しい」という話はあって、結構タチコマという存在は意識しました。健気なふゅーねるの演技も見所です。

――最後に、『ギルティクラウン』PRを一言っ!

redjuice 今回、アニメの現場で学んだことは多く、楽しいですけど大変です。僕自身のイラストレーターとしての創作にフィードバックされる部分も大きい。スタッフの意気込みも伝わると思いますので、皆さんにも『ギルティクラウン』を楽しんで見てもらえたらうれしいです。
(取材・文 新見直[KAI-YOU/http://kai-you.net/])

●redjuice
ニックネームは「しる」。Webデザイナーとして活躍すると同時に、インディーズCDのジャケットイラストなど徐々に活動の場を広げる。08年、クリエイター集団・supercellのメンバーとして『ワールドイズマイン』のPVイメージイラスト等を手がけて話題となって以降、国内外で高い評価を得る。アニメ制作に携わるのは本作が初となる。

●『ギルティクラウン』
監督/荒木哲郎 シリーズ構成/吉野弘幸 副シリーズ構成/大河内一楼 キャラクター原案/redjuice 音楽/ryo(supercell) 制作/プロダクションI.G 6課 放映/2011年10月よりフジテレビ<ノイタミナ>にて
アポカリプスウィルスの蔓延によって無政府状態となった日本。超国家間で組織された"GHQ"と、レジスタンス組織"葬儀社"の戦いが続いていた。平凡な高校生・集は、ネット上で絶大な人気を誇る歌姫・いのりと出会うが、いのりは"葬儀社"の一員だった。彼女に導かれるうち、集の右手には「王の刻印」が現れる。しかしそれはまた、彼が背負った「罪の王冠(ギルティクラウン)」の物語の始まりでもあった......。
(c)ギルティクラウン製作委員会


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