9月5日、国民的RPG『ドラゴンクエスト』の最新作『X(10)目覚めし五つの種族 オンライン』(任天堂の「Wii」と後継機「Wii U」向け)の来年発売が正式発表された。

 だが、この発表が意外なところに影響を与えた。同ソフトがオンラインゲームであることが明かされると、販売元のスクウェア・エニックス・ホールディングスの株価が急落したのだ。大ヒット確約のドラクエの新作発表でなぜ? ゲームアナリストの平林久和氏はこうみる。

「Wiiでの発売が株価を下げた要因のひとつ。任天堂はWiiの後継機Wii Uの開発発表をした際に株価を下げています。今の株式市場で任天堂は下げ銘柄。そこにブラ下がったと投資家が判断した。またオンライン対応がわかった途端に値落ちしたのは、世間がまだオンラインゲームをマニア向けで敷居が高いものと認識している証拠ですね」

 では、オンライン化でファン離れが起きるのだろうか?

「並のタイトルであれば見限られる可能性も大いにある。でも、ドラクエというキラーコンテンツであれば、今までネット接続をせずにローカルにとどまっていた多くのドラクエファンをオンラインの世界に引き込むでしょう。逆にドラクエがきっかけでオンラインゲーム全体の需要が爆発的に跳ね上がる可能性だってありますよ」

 ドラクエはひとりでじっくり遊ぶものというファンの声もあるが。

「変化によって生じるマイナス部分も払拭する力がドラクエにはあるというスクウェア・エニックスの企業判断でしょう。それらのファンの声に迎合しなかったのは英断だと思いますよ」(平林氏)

 となると、気になるのはWiiがハードに選ばれた理由。ネット接続に主軸を置くなら処理能力の高いPS3がよかったのでは?

「ドラクエは子供がプレイすることも多く、そのユーザー層とWiiはフィットする。そもそも『ファイナルファンタジー』のようなフォトリアリスティックな映像を追求してきたわけではなく、ゲーム性で勝負してきたシリーズですから、PS3よりもWiiが適していたのでしょう」(平林氏)

 株価下落や批判的な声も、ある程度想定内でオンライン化に踏み切ったドラクエX。すでにオンライン運用を試験するベータテスターの一般公募が近日中に予定されているというが、シリーズ最高記録となる国内出荷400万本突破の前作『IX(9)』超えも確実?

(取材/尾崎 亮、昌谷大介)

【関連記事】
不振の「ニンテンドー3DS」、捨て身の“1万円値下げ”は吉と出る、凶と出るか?
警察の取締りでネットカフェから「個室」が消える
ゲーム使用、アダルトサイト閲覧が丸わかり。業務用パソコンは会社に“監視”されている
「尿を飲料水に」「壁が無い」「ゲーム付き」など未来型トイレの数々
ツイッターで炎上しないための「5つのルール」