“おもてなし”をやめてヒットした居酒屋

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 不況に強い会社、不況でも利益を出し続ける会社は、他とは違った独自の経営戦略を持っていることが多いものです。ドリンク・フード共に270円均一ということで人気を集める居酒屋「金の蔵.Jr」を経営する株式会社三光マーケティングフーズもその一つ。
 一体どのような戦略を持って経営をしているのでしょうか。

■タッチパネルで人件費削減
 接客業には、“スタッフが笑顔でお客さんに接するのがおもてなし”という常識があります。
実際、ほとんど居酒屋で、注文を取る際には店内各所に配置された従業員が、客に呼ばれたテーブルに出向いて注文を取りますが、「金の蔵.Jr」では各テーブルに設置されたタッチパネル式の端末で客が直接オーダーします。
 このシステムを採用した当初は「邪道だ」という意見もありましたが、人件費が削減できる、店員を呼んでもなかなか来ないというイライラを解消できる、などメリットも大きいものでした。実際、客へのアンケートでは98%がこのシステムに好意的だったそうです。

■厨房の徹底的な効率化
 「金の蔵.Jr」と同じく三光マーケティングフーズが経営する居酒屋チェーンに「東方見聞録」がありますが、こちらは安さではなく手作り感を売りにしています。しかし、「東方見聞録」では手間をかけるほど商品の均一感がブレるという悩みがあったそう。
 このことを踏まえて「金の蔵.Jr」では厨房の徹底した機械化を実施、効率化を極限まで推し進めることで、全品270円でも収益の出るビジネスモデルを作り上げています。

■共食いしてでもいい立地をおさえる
 チェーン展開の方法論として、できるだけ“広く浅く”出店した方が成功する可能性が高いと思われますが、三光マーケティングフーズはそれとは全く逆、特定の地域に集中的に店舗展開をしています。
 近所に何店舗も同系列のチェーン店ができると“共食い”になってしまい、効率が悪いように思えます。しかし、それでも同業他社に食われるよりはマシと考え、新宿に17店、渋谷に11店、池袋に9店(いずれも2010年1月末の数字)と、人が集まる都心に集中的に店舗展開をしているのです。

 『なぜこのチェーンストアは流行っているのか』(根岸康雄/著、ディスカヴァー・トゥエンティワン/刊)にはABCマート、ケーズデンキなど、不況の現在においても利益を出し続ける企業の戦略がストーリー形式で紹介されています。
 こういった企業のたくましさ、したたかさこそ、組織として、一人のビジネスパーソンとして見習うべきなのかもしれませんね。
(新刊JP編集部/山田洋介)


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