自分が「逮捕される」と新聞で報道されて…

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 朝、いつものように出勤すると会社の前に報道陣が待ち構えていた。そして、自分が逮捕されると報道されているというのだ。
 まるで嘘のような本当の話だが、実際にそういうことが起こってしまった夫婦がいる。そしてその顛末がコミックエッセイ『明日、夫が逮捕されちゃう!?』(シバキヨ/著、扶桑社/刊)にまとめられているのだ。

 本書の主人公は行政書士の仕事をしているタカヒロさんと妻のキヨさん。
 タカヒロさんは、ある日突然「大阪地検特捜部はシバタさんを逮捕する方針だそうです」とマスコミに追いかけられることに。発端は2年前にタカヒロさんが受けた「夫の不倫相手から慰謝料を取りたい」という依頼だった。
 タカヒロさんは「弁護士法違反」との指摘を受けないように、細心の注意を払って仕事を進めたが、弁護士の業務はしていないにもかかわらず、大阪弁護士会から「弁護士資格がないとできない、慰謝料請求などの示談交渉を行った」として告発されてしまう。
 そして「大阪地検特捜部は近く、鳥取県米子市の行政書士(30)を弁護士法違反容疑で逮捕する方針を固めた」という新聞記事を本当に目にしたのだ。

 本書によれば、行政書士と弁護士には「権利義務関係書類の作成」という仕事内容が重なる部分があり、それが弁護士から見たら「弁護士法違反」にあたることもあるという。さらに、行政書士界には「弁護士には逆らうな」というは暗黙のルールがあり、タカヒロさんはこの暗黙のルールに屈することなく、「行政書士」として自分の信念を貫くのだが、さまざまな理不尽な壁にぶつかるのだった。

 「行政書士」というと法律関係の資格だけど、実際何をしているのかわからない。そんなイメージを抱いている人もいるかもしれないが、行政書士を扱ったテレビドラマが放送されるなど、認知度も上がってきている。本書ではそんな行政書士の仕事の内容が分かりやすく説明されている。

 新聞で「逮捕される」という報道を見てから夫の逮捕におびえる妻と、意外と冷静な夫の生活を、明るくもリアルに描写している。そして、この夫婦に待ち受けていた意外すぎる顛末とは…? この事件を通じてマスコミ嫌いになってしまった夫。ドラマのような本当の話が、本書には詰まっている。
(新刊JP編集部)



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