ストライクフォースでダン・ヘンを破った金字塔を持ってUFC参戦を果たしたジェイク・シールズだが、再度UFC世界ウェルター級の頂点に挑むためには、一段と厳しい道程が待っている。その一歩がジェイク・エレンバーガー戦だ

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17日(土・現地時間)にルイジアナ州ニューオリンズのアーネス・N・メモリアル・コンベンションセンターで行われるUFC Fight Night Live「Shields vs Ellenberger」。SEG時代は大会開催数も多かったルイジアナ州だが、ズッファUFCにとって02年以来、9年振りとなる同イベントのメインは、ウェルター級ジェイク・シールズ×ジェイク・エレンバーガー戦だ。

4月30日のUFC世界ウェルター級選手権試合(×GSP戦)で、6年10ヶ月ぶりの敗北を喫したシールズが、同夜のシェーン・ピアソン戦におけるKO勝ちで4連勝となったエレンバーガーを迎え撃つ。

UFC戦績4勝1敗のエレンバーガーは、UFC参戦以前に24戦のキャリアがあり、IFLやBodogなど準メジャーを経験。M-1時代には来日経験もあり、韓国でも試合をしている。元シュートボクセの強豪ジョゼ・ランジ・ペレ、ウェルター級時代のパット・ヒーリー、UFC世界王座挑戦経験もあるシーザー・グレイシー門下ギル・カスティーリョらに勝利しており、地味ながら堅実な成果を挙げてきた。

レスリング・ベースに柔術のエッセンスを加えたファイトは、現代MMAの典型的なスタイル。その実、KOパンチを持ち、勢いでもっていくようなテイクダウンなど、シールズの静のイメージに対し、動という印象を残すエレンバーガーだ。現在はマーク・ムニョス率いるレイン・トレーニングセンターに属し、姉妹ジムのキングスMMAで、ハファエル・コルデイロに打撃の指導も受けている。

まだ26歳で30戦のキャリアを持つエレンバーガー、この試合で勝ってタイトルコンテンダーの仲間入りを果たしたいところだが、シールズにとってもトップ集団に踏みとどまるためには負けられない一戦となる。両者の対戦は、MMAでは無くなりつつある際の攻防が鍵となるだろう。

打撃とテイクダウン、テイクダウンとポジショニング、ポジショニングと打撃。これらの際の攻防は、その狭間にMMA独特の進化を見せ、際ではなくなってきた。シールズはテイクダウン後に立たせないために、柔術の技術を融合させ、際という概念を取り払った。

一方のエレンバーガーも打撃から組みつく、この一連のスピーディな攻撃のなかで、際という隙を与えない攻撃を得意とする。タイプは違っても、現代MMAを象徴する動きを見せる両者。

公称ではエレンバーガーの方がリーチで上回っているが、シールズは長身のボディを生かし、殴られそうな状態で後方に体を振り、そのままの勢いで相手の懐に深く飛び込むことを得意としている。このテイクダウンを切ることができるうちに、攻めるだけ攻めてシールズのスタミナをロスさせられるかどうか、そこがエレンバーガーにとって勝負の分かれ目になる。

一方、派手さはないが強さという面では疑いのないシールズだが、8月の終わりに実父であり、マネージャーを務めていた父ジャック・シールズを失っている。2002年の初来日時から、息子の住むファイティングワールドの将来に深く興味を持ち、一時米国でプロ修斗のプロモートをするという話もあったジャック。

幼少時代人里離れた渓谷でホームスクールという名の下、両親に学業を学び、ファイターになってからもストライクフォース離脱のタフな経験をするなど、タイトな関係にあった肉親を亡くした影響がどれだけあるかは、彼以外の人間には窺い知りようがない。
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