matanitymark

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公共交通機関のポスターでもたびたび目にして、そのマークをあしらったキーホルダーなどをバッグにつけた妊婦さんを街でも見かけるようになり、少しずつ浸透してきた感のある「マタニティマーク」。マークの普及とそれによる優遇の拡大が期待されるが、実はすでに海外にも進出していたのをご存じだろうか?

もともとこのマタニティマークは、「妊産婦にやさしい環境づくり」の推進を目的として、厚生労働省が2006年に定めたもの。現在このマークをステッカーにして、全国の母子手帳交付窓口にて配布しているのが、NPO法人ひまわりの会だ。同団体では、国内でのさらなる普及と同マーク所有者の利便性の向上はもちろんのこと、同時にこのマークを世界に向けて広めるための活動も進めているという。ひまわりの会によると、すでに2010年から、マタニティマークは中米のエルサルバドル共和国で導入されており、妊婦さんがいる家や妊婦さんが集まる保健所などに、現地の公用語であるスペイン語のメッセージが書かれたものが貼られているそうだ。

そしてこのたび、中東のシリア・アラブ共和国でもマタニティマークの活用が進行しているという。ちなみにシリアは、北にトルコ、東にイラクが面して、南にはヨルダンやイスラエルが国境を接する国で、人口は約2,200万人。

ご覧のように、マークのお母さんがヒジャーブをかぶったバージョンとなっているのが、イスラム教徒が90%を超えるというシリアのお国柄ならでは。ひまわりの会によると、各国版の制作にあたっては、記載するメッセージはもちろん、デザインについても現地の方々の宗教や風習、国民性といった意向を汲んで決定していくそうだ。ご当地キティちゃんのような展開が期待される。

現在ひまわりの会では、JICA 青年海外協力隊として派遣される方のうち、「マタニティマークを自分の赴任地でも広めてみたい」という希望者を対象に、無償でマークの制作をサポートをしているという。日本発の母子保健サービスが世界に広まることで、一人でも多くの子どもたちが救われるとしたら、とても誇らしいことである。

NPO法人ひまわりの会


深田洋介
学研の編集者、AllAboutのWebエディターを経て、サイバーエージェントの新規事業コンテストでは子育て支援のネットサービスでグランプリを獲得、その後独立。現在は子育て・教育業界×出版・ネット媒体における深い知識と経験・人脈を駆使して活動中。2001年生まれの娘の父。



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