『デウスエクス』は神ゲー! 過去のゲームでは表現できなかったリアルな空気を演出

写真拡大

2011年10月に発売が予定されているスクウェア・エニックスの新作ゲーム『デウスエクス』は、おそらくプレイステーション3の作品としては5本指に入る名作である。「作り込み」によって「おもしろさ」が生まれている秀作といえよう。

当編集部は北米版をすでに購入し、実際にプレイをしてやり込んだ。どうして『デウスエクス』が多くのゲーマーをトリコにしているのか? 今回はその点について深く解説していきたいと思う。ある程度ゲームをプレイしている人たち向けに書くので、その点はご了承いただきたい。また、ストーリーやゲーム性に関してはあまり触れない。
 
・『メタルギアソリッド4』と同系統のゲーム
『デウスエクス』はファーストパーソンシューティングであり、ステルスゲームでもある。よってゲームタイプとしては非常に『メタルギアソリッド4』に酷似しており、プレイ感覚も非常に似ている。
 
・主人公は寡黙なイチロー系
主人公は寡黙なタイプの男性で、まさにハードボイルド。『マトリックスリローデッド』のキアヌ・リーヴスのような口調で語り、物腰もまさにキアヌ。日本人からすると、容姿はイチローを頭に思い浮かべるかもしれない。主人公は肉体の一部をサイボーグ化し、普通の人間以上の能力で敵に立ち向かう。
 
・広い箱庭でミッションをこなしていく
ゲームの流れとしては、主人公が指令を受けてミッションをひとつひとつこなしていくというタイプである。指令を受けると航空機に乗り、ミッションが繰り広げられる地帯に運ばれる。その地帯は非常に広く、欧米や中国の街をイメージして作られた大きな箱庭と考えていい。

『メタルギアソリッド4』にはヨーロッパの街が再現されたステージがあったが、ミッションをこなす事がメインであり、寄り道をする展開があまりなかった。ゲームをスムーズに進めるうえではよくできたシステムである。しかし『デウスエクス』はけっこう広い箱庭でミッションを展開するので、寄り道をしたり、まったく関係のないところにも行くことができる。街の生活に溶け込みつつ、ミッションをこなしていくことができるのだ。これもまた楽しい。どうして楽しいかは次の段落で話そう。
 
・街の空気が伝わってくるほどの驚異的な作り込み
また『メタルギアソリッド4』と比較する。発売当初は素晴らしいと感じたものの、どうしても「作られたポリゴンの街」という感じが否めなかった『メタルギアソリッド4』。確かにリアルだがポリゴン感を感じるのも確かで、今プレイすると「あれ?」と思うところがある。

しかし『デウスエクス』はその点を完全にクリア。特に中国の街並みを再現したステージは秀逸で、「ここだけ別のチームが作ったんじゃないの?」と思うほど生活感あふれるステージとなっている。どうしてポリゴン感をまったく感じないのか? 細部にわたって描き込まれたグラフィックが素晴らしいのはもちろんだが、湯気、煙、ゴミクズ、紙クズ、炎など、普段私たちの生活によくあるものが、『デウスエクス』の街にも存在するのである。

雰囲気を出すためにオマケでそのようなものを設置しているゲームは多々あるが、『デウスエクス』のスタッフは本気になって街のリアル感を出すべく、それらのものを街にちりばめ、そして風に舞わせているのである。「リアル」とはどういうことかをちゃんとわかっているのだ。
 
・グラフィックと演出が生んだおもしろさ
ゲームはグラフィックが命じゃない。そういう人もいるが、このゲームに至ってはグラフィックと演出がゲームの楽しさを何倍にも大きくしている。リアルな世界観だからこそ、ハードボイルドなサイバーパンクワールドと主人公に感情移入できるわけだ。そのリアルな世界に「ゲーマーたちが没頭できるほどのゲーム性」がプラスされたら、これ以上ない名作になるのは必然である。

『デウスエクス』まさにプレイステーション3のパワーを実感できるゲームなのだ。「こういうゲームが遊びたかったんだろ?」というスタッフの声が聞こえてきそうなゲームなのである。確かに、プレイステーション3でこういうゲームが遊びたかった。
 
・没頭できるゲーム性って?
過去に『シェンムー』というゲームがあった。日本の街をリアルに再現したゲームで、当時としては恐ろしいほどリアルな街を表現していた。しかし『シェンムー』にはひとつ足りないものがあった。かんじんのゲーム性、つまりおもしろさが感じられないのだ。ゲーマーたちはリアルなことに感動はするものの、それはそれであり、リアルなだけだったらすぐに飽きる。

たとえ作り込まれた世界であっても、そこでできることが限られていれば、超リアルなグラフィックでジャンケンゲームをしているようなものである。「リアルだなあ」や「美しいなあ」と感じるのは最初だけであり、そこに「たとえリアルじゃなくてもやり込める要素」がなければゲーマーは満足しないのである。

たとえばあなたが飛行機のファーストクラスに乗ったとしよう。非常に豪華なシートに座ることができ、とても快適だ。しかし、そこで出される機内食がおにぎり1個だったらどうだろうか? つまり、リアルなだけでゲーム性が乏しいゲームとはそういうことなのである。ファーストクラスには、ファーストクラスの食事が必要なのだ。
 
・実際にプレイした感想
『デウスエクス』は海外で大絶賛されているが、それは欧米人にウケがいいゲーム内容だからというわけではない。何度も言うが、素晴らしく作り込まれた世界で、非常に考えられたゲームを展開できるからである。

実際に『デウスエクス』をプレイしたもうひとりのゲーム記者はこう語る。「私は英語が得意ではないのでセリフが良くわからなかったりするのですが、それでもゲームの流れはわかりました。たぶん日本語版を遊んだらもっと白熱するんでしょうね。正直、最初はこんなもんかなと思う部分がありました。命令されてミッションをこなしていくだけかなと。でもストーリーが進むにつれて、どんどんリアルな映像とストーリーに感動していき、中国ステージの緻密な世界で圧倒されました」。
 
……と、『デウスエクス』がどうして高評価を得ているのかご理解できただろうか? 当然ながら、ゲームのおもしろさは解説だけではわからないので、実際にプレイしていただきたい。日本のコンシューマー向けの『デウスエクス』は、プレイステーション3とXbox360で発売される予定だ。次回は、『デウスエクス』を縦横無尽にプレイしているゲーマーKさんのインプレッション記事を掲載したいと思う。
 
写真: RocketNews24.

この記事の動画を見る