ご先祖様へのお供えにジャンクフード? 現代化する韓国の伝統行事

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韓国では秋夕(チュソク、今年は12日)を前に、都心から地方へ向う帰省ラッシュが始まっている。秋夕では親戚一同が集まり、テーブルいっぱいに並んだお供え物を前に先祖へ礼をするのが決まり。だが、最近はお供え物にピザが並ぶこともあるようだ。

ある韓国人ネットユーザーは最近、ネット掲示板に秋夕のお供え物にピザやフライドチキンといった西欧料理が並ぶ写真を掲載した。このユーザーは、「ご先祖様も好きだと思うし、食べものを準備する労力も少なくて済む。子どもたちも大喜び」と語り、ピザはお供え物にピッタリだとほかのユーザーに推せんした。

この書き込みはネット上で大きな注目を集め、「時代の流れだ」と考える人と「伝統を破壊している」と指摘する人で賛否両論が巻き起こった。

賛成派は、「格式は重要なのだろうか。亡くなった方が好きだった食べ物を出すのが正しい。もし自分が死んだらポップコーンを供えてほしい」、「最近はお供えものを作る家は少なくなった。スーパーで餅を買うのだからピザがお供え物に出てもおかしくない」とお供えにピザは問題ないと考察した。

一方、反対派は、「食文化は共同体文化の中心。そこの外国の食べ物であるピザを出すとは、恥ずかしくて見てられないな」、「そんなにお手軽が良いならお墓の芝も人工芝にしてみては?」などと拒否感を示した。

秋夕の際に用意されるお供えものは、秋に収穫される果実(ナシ、リンゴ、クリ、ナツメ、柿)をはじめ、白いご飯、松餅(おもち)、肉や魚などの焼きもの、汁物、ナムル、キムチなど数多い。これらのメニューが、ひとつのテーブルに所狭しと並ぶのだが、品数が多く手間ひまがかかることから、最近ではすべて手作りする家は少なくなってきているという。ピザやフライドチキンが並ぶのも、やはり時代の流れといえそうだ。

参照:祭壇にピザ、「おじいさんは生前ピザとチキンが好きだった」 - シティー新聞
参照:ピザ・チキンが祭壇に、ネチズン賛否議論「伝統無視VS気持ちが重要」 - 韓国経済

(文:林由美)

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