紳助の電撃引退表明にテレビ界はパニックに陥っている。紳助は『行例のできる法律相談所』(日本テレビ)、『クイズ!ヘキサゴンII』(フジテレビ)など計9本のレギュラー・単発番組を抱える人気タレント。紳助の引退はお笑い界に巨大な空白地帯が生まれたことを意味する。

 秋の番組改編期を目前に控える各テレビ局の編成担当者らはポスト“紳助”を巡るキャスティング調整に大わらわだ。
 「どこのプロダクションもなかなか紳助の冠番組を引き継ごうとはしない。短期リリーフであることやイメージが悪いことから“事故物件”として敬遠されるんです。例え、話が成立したとしてもギャラは5倍以上が相場。吉本サイドから全面協力の申し出があっても魅力ある芸人は既に出尽くした感がある。皆、頭を抱えています」(事情通)

 今回の紳助引退で吉本興業は少なくとも30億円以上の損害金を被る計算だ。
 「民放のゴールデン枠は一本当たり3000万円以上。紳助の5本のレギュラーが2週分を撮り終えている。これだけで3億円。さらに他共演者のギャラも被ることになる。出演していたCMほか関連の違約金が数億円。全て吉本が負担する」(広告関係者)

 実は、一部の吉本幹部からは謹慎や休業といった処分案が浮上していたという。莫大な損害金を支払ってまで吉本が、何故紳助の引退にこだわったのか。
 「10月1日付で東京と沖縄で施行される暴力団排除条例の影響だ。この条例は暴力団と親しい人間を“密接交際者”とみなし、名前を公表され、金融機関からの融資や当座預金の開設ができないなど徹底した法律だった。その芸能人第1号に島田紳助が認定されることが内定していた。そうなった場合の損害金は30億円どころでは済まなかったはず」(警察関係者)

 前代未聞の“密接交際者”第1号に紳助が認定されれば、吉本興業の使用者責任も問われかねない事態に発展するのだ。
 「この情報を入手した吉本が先手をうった。吉本といえば、創業者一族と現経営陣との間に起こったお家騒動にも暴力団の介在が取り沙汰されている。これ以上、裏組織との関係をほじくりかえされたくない。来年創業100周年を迎える吉本の経営的判断から紳助を切った」(芸能プロ関係者)

 沖縄に潜伏中の紳助は、組織の歯車だった。