尖閣問題、中国のヘリクツ

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 今年、日本には「国難」といっていいほどの大きな災害が二つも訪れました。
 東日本大震災と、それに伴う原発事故です。これだけでも歴史的な国難と言えますが、さらに新たな国難が近づきつつあることが『トンデモ大国・中国を知らねば日本の復興はない』(黄文雄/著、まどか出版/刊)によって指摘されています。
 その国難とは中国。多くの方がご存じのとおり、日中間には「尖閣諸島問題」という火種があります。昨年9月の中国漁船と海上保安庁の巡視船との衝突事故はまだ記憶に新しいと思いますが、今年に入っても中国は東シナ海で示威活動とも取れる行動を繰り返しており、この問題が今後さらに大きな国際問題に発展していく可能性があるというのです。

 東シナ海にある海底油田の存在や、中国近海の漁業資源の枯渇、中国国内で「尖閣奪還、琉球回収」の動きが広がっていることなど、中国が尖閣諸島の領有を強硬に主張する理由はいくつかあります。
 もちろん中国側にも尖閣領有の根拠と理屈があるのですが、本書の著者である文明史家の黄文雄氏は、その理屈を屁理屈だとしています。

■「尖閣は中国の固有領土」は法律を無視した主張
 「尖閣は中国の固有領土」の根拠として持ち出される文書として挙げられるのが1403年の『順風相送』や1534年の『使琉球録』です。そこ書かれている「釣魚台」(尖閣諸島)についての記述を論拠に、中国は「先に発見したのだから“固有領土”だ」と主張しているわけです。
 しかし、「古い文献に書かれている」=「固有領土」となるはずもなく、この論拠は近代国際法では通用しません。

■中国の“尖閣所有「三段論法」”とは?
 中国が尖閣領有を主張する時に使われる理屈に
「尖閣は台湾に付属する諸島である」
「その台湾は古より中国の固有領土である」
「したがって尖閣は中国のものである」
 という三段論法です。
 しかし、ここにもおかしな点があります。
 中国の前身である清によって作成された『大清統一志』でも、1951年に中華民国(現在の台湾)が作成した『台湾省通志稿』でも、尖閣諸島は台湾の付属島嶼(ふぞくとうしょ)に含まれていないのです。この時点で中国の論拠は崩れてしまいます。

 中国側の主張はいささか根拠に乏しいともいえますが、とはいえ、中国は今後もなにかにつけて尖閣諸島の領有を主張してくる可能性は高いです。
 復興に向けて着実に歩を進める日本。今回の震災は私たちに大自然の脅威を思い知らせましたが、本来、一国の脅威とは外からもやってくるもの。その意味で本書は中国という隣人の脅威を私たちに強く印象付けます。
(新刊JP編集部/山田洋介)


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