被災地の復興は、全国から集まったボランティアに支えられているところが大きい。だが、一部の人間の“暴走”が目に余るものになっているという

写真拡大

 震災から半年を迎えようとする現在も、被災地では多くのボランティアが活動している。一日でも早く日常を取り戻すため、被災地ではこれまでと同様ボランティアの力が必要とされており、額に汗して活動する彼らには心より敬服するほかない。

 だが、残念ながらそうしたボランティアの崇高な精神に泥を塗るような不届き者が続出しているという。JR石巻駅から続く商店街の居酒屋では、今や客のほとんどがボランティア。居酒屋の元常連客がこう語る。

「いつ行っても、若いボランティアたちが合コン状態で大騒ぎしているんだよ(苦笑)。なかには、(ボランティア団体の)ビブス着たままのヤツも。せっかく来てくれたのはありがたいけど、ハメを外しすぎじゃねえかな。おまえらは合コンしに石巻に来たのかって言いたいよ」

 昼は無償で働き、夜は被災地にお金を落としているのだから、このくらいは大目に見るべきなのかもしれない。ただ、被災者の神経を刺激しない飲み方は、さすがに必要だ。だが、ボランティア活動それ自体が被災者のためになっていないケースもある。宮城県内のある避難所で生活する40代の男性がこう話す。

「あれはまだそこらじゅうに集めたヘドロの山があって、それが乾いて春の風で吹き飛ばされていたような時期のこと。ある有名なボランティア団体が炊き出しに来たんです。本来なら事前に連絡があるのですが、彼らは突然来て用意を始めた。そして、ヘドロの山の脇で炊き出しの準備を始めたので、『ヘドロはいろいろな化学物質も含んでいるし、感染症の原因にもなるから建物の向こう側でやってほしい』とお願いしたのですが、『自分たちはここでやるように言われていますから』と耳を貸さないんです」

 その後も、「食器を用意してくれ」と被災者に注文してきたり、足が不自由なお年寄りと自分の分の2食分をまとめてお願いした人に向かって舌打ちしたりと、目に余る態度だったという。彼らのように、被災者がどういう状況にあるのか想像することなく、自分たちの満足や成果ばかり優先するケースは後を絶たない。

 石巻市で避難所のひとつになっている小学校で夏祭りが行なわれた際、ドレッドヘアに上半身裸で真っ黒に日焼けしているボランティアがいた。彼はこう言った。

「いや〜、俺はまだ(石巻に)来て3日目なんだけどさ、ここって面白い人が多いし、街を歩いていてもなんか楽しいよね。ちょっと長めにいようかな」

 いかにも世界中を旅している“自分探し”中といった雰囲気。こうしたボランティアは、ほんの一部だ。だが彼らによってボランティア全体の評価が下がってしまうのだとすれば、それほど残念なことはない。

(取材/頓所直人、写真/井上賀津也)


【関連記事】
軍手と体調管理が必須。旅行会社社長が語る「東北ボランティアツアー」の心得
気温上昇で大量発生。被災地を悩ませる悪臭と巨大バエの恐怖
石原都知事なら“ボランティア徴兵”“ボランティア強制”を導入しかねない?
長州力、マスコミに極秘で敢行した福島での炊き出しボランティアの真相とは
サンドウィッチマン「こんなことで日本は負けねーぞ!!」