元清水のGK、真田雅則さんが急逝なさったということです。43歳という信じられない若さです。いや、本当に信じられません。

いつもすごく紳士的な方でした。勝っても負けても、態度があまり変わらない方だったのですが、あるとき、感情がポロリと漏れたことがありました。

それは清水がステージ優勝をした翌年、2000年のこと。実際、ステージ優勝をしたときの真田さんは非常に乗っていて、チームを救うセーブを何度も見せていました。2000年もそのままの調子を維持していたのですが、真田さんはもう1つのチームに声をかけてもらいたかったようです。

「僕って代表に呼んでもらえませんかね」。清水の練習を取材していたとき、誰も周りにいなくなったのを見計らって真田さんがおっしゃいました。ご本人も自分の好調さを感じていらっしゃったのだと思います。そして2002年の自国開催ワールドカップへの出場を熱望していらっしゃいました。だけど、それを強烈に主張する方ではなかった。

そして2人でトルシエ監督が招集するGKの特徴などをじっくり話し込んだものでした。代表に入りたいという野心を持っていることを、あまり表に出したくないというのは、謙虚な真田さんらしかったと思います。

本当に今でも真田さんがお亡くなりになったというのは信じられません。どうしてあんなにいい方から召されてしまうのか。今はただただ、ご冥福をお祈りいたします。